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ここでは「空き家」に関するニュースやコラムなどを紹介します。

2040年には1000万個を超えると推測される「空き家」。

 

何の利用もしないのに税金だけはしっかりとかかってきます。

不動産は、自分で使うか、その不動産を利用してお金を稼ぐか以外には、正直使い途はありません。

 

「いずれ・・・」と思っていても、今後は一定の都内及び駅前または駅より500m以内の不動産以外は大きく値上がりすることは無いと予想されます。

 

あなたの「不動産」が「負動産」にならないようにそして、親御さんが他界された際の「相続」が「争族」にならないよう、今からキチンと対処をしておきましょう。


認知症で資産が凍結?親が施設に入る前にすべきコト

空き家を処分できない理由

49歳の鈴木隆(仮名)さんには今、頭を抱える問題がある。

 

それは、空き家となった実家が処分できないこと。実家の所有権利者が両親のため、両親2人の承諾が必要だという。

 

介護施設に入居している両親だが、2カ月ほど前から父親の認知症が急激に進行し、そのため、具体的な話が進んでいたものの、家の所有者である父親が売買契約を

結ぶ「判断能力がない」と見なされ、家が売れなくなってしまったのだ。

 

介護費用などへの不安は募るばかりだ。

 

65歳以上の4人に1人が認知症またはその予備軍とも言われる今、親が認知症になることで「実家を処分できない」「預貯金を引き出せない」など、親の財産が事実上“凍結”するトラブルに直面する人が後を絶たない。

 

今回3組の親子を取材する中で、親の財産が凍結されてしまうリスクと、そのリスクを回避できる新たな対策が見えてきた。

 

実家が売れないことで増していく負担

父親の認知症が進み、実家が売れなくなってしまった鈴木さんは今、様々な負担に迫られているという。

 

毎月の介護費用は両親2人で毎月約60万円にのぼり、一時入居金を1人あたり数百万円を支払った。さらに、実家の固定資産税や、空き家になったことで値上がりしてしまった火災保険料の支払いなどが発生する。

 

現在は、貯金で何とか賄えているが「もうちょっと早く、父が判断をできる時に実家の売却を判断してもらえれば良かったなと思うんですけれども…」と育ち盛りの娘が2人いる鈴木さんは苦悩を語る。

 

 

財産問題に詳しい、司法書士の元木翼さんは「一般的に契約などの法律行為を行うためには、ご本人がメリットとデメリットを理解している必要がある。認知症が進んでしまうと、事実上手続きをご自身でするのは難しいと言わざるをえない」と法律上の難しさを話す。

 

認知症になると、即財産が凍結されるわけではないが、一般的には、親が契約の内容を理解しているか、立ち会った司法書士などの専門家が判断するという。

 

 

処分できた理由は『家族信託』

川崎市に住む49歳の高橋千賀子さんもまた、空き家となった実家の処分に苦労したという1人だ。

 

高橋さんの父・朗さんも認知症と診断され、現在要介護度3。2年前介護施設に入所した。同じ頃、母も体調を崩して別の施設に入ることになってしまった。

 

介護費用は2人分を合わせると月40万円~45万円かかるが、自らの子供の養育費など、自分たちの生活もある。

 

そこで、介護費用を捻出しようと両親が住んでいたマンションの売却を検討したのだが、父親の認知症がこれ以上進むと手続きが困難になり、売却できなくなることが分かった。

 

「所有者の父が売買契約できないということは、売却もできなければ、貸すこともできないまま、ずっとそのまま管理費などを払い続けるだけ。相続として亡くなるまで処分できない」と話す高橋さん。

 

“ある手段”を使って凍結状態になるのを阻止したという。

 

 

判断能力がない人の財産を、第三者が管理する方法として『成年後見人制度』が知られているが、家の処分にも、家庭裁判所の判断が必要になり、手続きに時間がかかることもある。

 

そこで、高橋さんが取った方法が『家族信託』だ。

 

 

最近になって利用されるようになったこの制度『家族信託』は、親が元気な内に、財産の運用や管理の方法を話し合い、信頼できる家族に委託する契約を結ぶ。

この契約に基づき、家族の判断で、財産の管理や運用をできるようにするというものだ。

 

高橋さんは『家族信託』を、父親の認知症が進む前に契約し、財産が凍結状態になるのを免れたという。

 

介護費用の目途はついたというが「いくら子供とは言え、親のプライドを傷つけるわけにはいきません。やはりお金の具体的な話をするのは、いい気持ちはしないと思ったんです」と当時の苦労を語った。

 

親と『家族信託』契約を結ぶには

親世代は子供に財産を託すことを、どう思うのか街の人に聞いてみると「任せますよ!他人よりいいと思うから」との声や「やらないよ。わが子でも心配なこともあるから」と賛否両論。

 

逆に子供世代にも話を効くと、「母とはそういう話はあんまりしないですね」や「やっぱり話しにくい」と、やはり気が引けるとの声が多かった。

 

一方で、相談に訪れる人が増えているという場所がある。

 

そのセミナー会場に訪れると、そこでは日本財託の家族信託コーディネーター横手彰太さんが講演を行なっていた。

 

 

その後行われた個別の相談会では、財産について聞き取り調査を行い、親子の希望に沿う形で家族信託を結ぶ手伝いをしているという。

 

「我々が間に入ってご両親の思いや、お子さんの思いをお互いつなげる手伝いをしています」と話す横手さんに、実家の今後について相談中だという47歳の横溝美子さん。

 

横溝さんが、横手さんとともに訪れたのは、仙台市内にある実家だった。実家で暮らすのは81歳の父と75歳の母。

一方、横溝さんは都内、姉が静岡とそれぞれが離れて暮らしている。やはり心配なのは両親が、施設などに入った時、実家の管理や処分をどうするかということだ。

 

そこで、この日は横手さんとともに家族信託について、話し合うという。

 

 

横溝さんからの問いかけに対し、父親は「子供に託しておけば一番問題ないんじゃないかなって思っている」と話し、母親は「施設に入る時に手続きとかせず、お金とかの管理してもらえればいいと思っています」と、財産管理については、ご両親とも前向きのようだ。

 

しかし肝心の実家については、自分たちが苦労して苦労して建てた家だから、簡単に売ってお金を分けるということだけはしたくないと、処分に関しては難色を示した。

 

ここでコーディネーターの横手さんが、自宅などを売却せずに介護費用を賄えるだけの資産があるかなど、具体的なことに踏み込むと、子供には負担を押し付けたくないという、両親の思いが語られた。

 

今後もお互いの要望を話し合い、ベストな方法を探ることにした、横溝さん親子。

 

切り出しにくい、親の財産の行方。まず第一歩を踏み出すことが、大切なようだ。

 

 

『家族信託』の注意点

もし施設に入ったとしても、たまには家に帰りたいから、家を残しておきたいと思う親世代の気持ちはある。

 

しかし現在、認知症になってからの平均余命は10年近くある場合が多いため、その間どうやって子供などの家族が支えて行くかということが問題になってくる。

 

今回高橋さんや横溝さんの話で出てきた『家族信託』は、親の財産管理が目的で、基本的には親のために使われるもので、贈与ではない。

 

住んでいる家が賃貸だから関係ないと思う方もいるかもしれないが、家の売買契約が出来なくなる以外にも、銀行の窓口で預金を下ろす際、本人が行かないといけないのはもちろん、本人が銀行窓口に行ったとしても、認知症だと意思確認・本人確認が難しいため、引き出すことができない場合もあるという。

 

 

一方で『家族信託』には注意点もある。

まず、後見人制度のように裁判所などの公的機関が監督していないため、不正が発覚しづらい。

また、比較的新しい制度のため、専門家がまだ少ないという。

 

さらに、任せられる家族がいない人は制度を利用できないという点と、費用が約60~70万円かかるのが一般的だということもあり、介護費用などのバランスを考えながら、利用することが大切だ。

 

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180113-00010002-houdouk-life&p=1

 


実家の空き家問題「三重苦」 住めない、貸せない、売れない

 年々深刻になる地方の「空き家」問題。だが、最近はすでに田舎から都市部近郊に超してきた世帯の空き家が増え続けているという。

 

「両親もまだ元気だからウチは関係ない」では済まされない。いざ実家が空き家になって放っておけば大変なことになるのだ。

 

オラガ総研代表取締役の牧野知弘氏が警告する。

 

 空き家といえば、多くの人が思い浮かべるのが、すでにぼろぼろになって誰も住むことができないような「あばら家」かもしれない。確かに現在社会問題としても盛んに取り上げられている空き家問題を語る場合、こうした「あばら家」を対象とするケースがほとんどだ。

 

 しかし実際には空き家のほとんどは「あばら家」ではない。

親が亡くなる、あるいは高齢者施設等に入居し、家に戻るあてもないままに「とりあえず」空き家となっているものが実は大多数を占めているのが現実だ。

 

 これまでの空き家問題はどちらかといえば地方から大都市に出てきた人たちが、親の亡くなった後の実家の取り扱いに悩むというのがテーマだった。

 

しかし、地方は近所のてまえもあるので、とりあえずそのままにして、ときたま戻って管理する程度、税金もそれほどの負担ではないのでそのまま放置するというのが典型だった。

 

 ところがこれからは、地方から大都市に出てきた人たちが買い求めた大都市圏近郊のマイホームで育った団塊ジュニアたちが、実家の扱いで悩む時代になる。

団塊世代も2023年以降は後期高齢者に突入する。これからは大都市圏郊外が大量相続の舞台となる。

 

 団塊ジュニアの多くは都心のマンション居住。

夫婦共働きで子供を保育所などに預けて通勤するスタイルが主流である。

そんな彼らにとって親が買い求めた大都市圏郊外の実家に住む予定はない。

夫婦共働きで都心まで長時間の通勤を強いられることには耐えられないからだ。

 

 彼らの親たちが買い求めた郊外の家の多くはいわゆるニュータウンと言われる丘陵などを切り崩した住宅地が多い。

敷地面積も狭く、家と家の間隔は狭い。空き家にして数か月も経過するとあっという間に隣近所からクレームが来る。

植栽が伸び放題になって、隣地に跨るためだ。数か月に一度草木の剪定を行う必要が出てくる。

 

ニュータウンの多くがもともとは人が住んでいない丘陵地などであるので、人が住まなくなれば野生動物などが戻ってくる。

 

タヌキやイノシシ、ハクビジンなどの野生動物が居つく、庭に糞をするなどでこれも近隣からのクレームの対象となる。

 

 最近は空き家に対する放火と思われる火災で隣家に類焼した責任を家主が負担する判決事例も出た。損害保険への加入は必須だ。

 

 固定資産税も地方であれば年間数万円程度で済むはずが、首都圏郊外ともなれば年間で15万円から20万円はかかる。

 

家の維持が面倒だからといって建物を解体更地化してしまうと、住宅にのみ特別に認められた固定資産税評価額の減免措置がなくなり、土地に関する固定資産税は敷地面積が200平方メートル以下の場合には6倍に跳ね上がってしまう。

 

 家は住まないと傷みが早いといわれる。とりわけ木造家屋は湿気などがこもりカビが発生する。

外壁塗装や屋根の葺き替えを定期的に実行していないと雨漏り等の原因となる。

こうした修繕維持コストもそれなりにかかってくる。

 

 これだけいろいろな面倒やコストがかかるのだから、賃貸に出すあるいは売ればよいという結論になってもそう簡単ではない。

 

 ところが、特にニュータウンあらためオールドタウンになると、借り手を見つけるのは至難の業だ。

 

 親たちは自分で買ったマイホームからせっせと会社に通勤してくれたが、そもそも借りてまで住みたいという奇特な人にはお目にかかる可能性は低い。

 

夫婦共働きの自分が住むつもりもない家を、自分たちと同世代以下の人たちが喜んで買うと考えるのは、頭の中がいささかお花畑だ。

 

 こうした状況の悪化を見越して先手を打つことはできるのだろうか。

 

残念ながらあまり妙案はない。少なくともいざ相続が発生した時になるべく早く「貸す」なり「売る」の行動に移れるように準備しておくことである。

 

 つまり家財道具などは親に頼んでなるべく処分しておいてもらうことだ。

隣家との境界や権利関係などでもめ事がある場合には今のうちに解決しておくことも肝要だ。

 

 またこんなことはまだ元気でいる親に言うべきことではないのかもしれないが、実家の相続は相続人を1人にしてもらうことだ。

「家は財産だから兄弟仲良く均等に」などと考えてもらっては困る。

 

 私の知り合いは、東京の郊外にある実家を相続したが、相続人は兄弟姉妹4人。

売ろうといえば妹が「お父さんの大事な思い出が詰まった家を売るなんて許せない」といわれ、固定資産税を払う際の分担については姉が拒否をする。

 

姉は家の庭の草むしりにも一切協力せず「早く売ればいいじゃん」と主張するだけ。

海外赴任の兄はもともと実家には無関心という板挟みに悩んでいるという。

 

「売れない」「貸せない」「自分も住む予定がない」という三重苦の詰まった「負動産」に苦しむ時代はもうすぐそこに迫っている。

 

 実家で迎えることが多い年末年始。

家の問題は家族の問題。お屠蘇を飲む前の話題としては多少不謹慎ではあるが、家族で真剣に話し合われてみてはいかがだろう。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171229-00000006-pseven-bus_all

 


貧困問題を解消するには、空き家を活用せよ

「下流老人」著者が提言する格差是正の処方箋

 

「家賃を払うと、生活資金が手元に残らない。いったいどうすればいいのか……」

 

東京都内に暮らすAさん(32)は頭を抱えている。Aさんは現在、非正規労働者として働く。月の収入は手取り約16万円。

 

家賃7万円のアパートに妻(30)と子ども(3)の3人で暮らしている。

 

妻は子育てに追われ、働く時間が取れない。

 

 

毎月の収支は赤字で、足りない分は貯金を切り崩しながら生活をしている。

ただ貯金の残高は約60万円と決して多くはなく、このままではゼロになるのも時間の問題だ。

 

重くのしかかる家賃負担

私は昨年、『下流老人』(朝日新書)を発表して多くの方から反響をいただいた。

だが貧困問題は何も高齢者に限った話ではない。日本の相対的貧困率は2013年時点で16.1%、いまや6人に1人が貧困状態にあり、誰もが陥る可能性がある。

 

トマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)やアンソニー・B・アトキンソンの『21世紀の不平等』(東洋経済新報社)に代表されるように、世界でも格差や貧困に対する研究が進み、新自由主義から分配重視へトレンドが移っている。

ここでは日本特有の貧困問題についてまとめてみたい。

 

生活が困窮する大きな原因のひとつが、冒頭のエピソードのような「住宅」の問題だ。

私が所属するNPO法人「ほっとプラス」には年間500件以上の相談が寄せられるが、家賃の支払いで追い詰められているケースが非常に多い。

 

データで見ても、生活困窮者にとって家賃の負担は大きな重荷になっている。

 

たとえば、2014年12月にビッグイシュー基金の住宅政策提案・検討委員会が実施した調査「若者の住宅問題」(首都圏と関西圏に住む20~39歳、未婚、200万円未満の個人を対象)によると、手取り月収から住宅費を差し引いた金額であるアフター・ハウジング・インカムがマイナスになる人が27.8%も存在する。プラスのグループにおいても「0~5万円未満」が17.0%、「5万~10万円」が32.9%と、低水準の人たちが多い。

 

若者に関していえば、親と同居する理由で約半数を占めるのは、「家賃が負担できないから」であった。低所得であればあるほど、親と同居している。そして所得が低く、親と同居しているほど結婚の予定がないと回答しており、少子化につながっている可能性もある。

 

生活困窮者にとって住む家があるというのは、大きなよりどころとなっている。

 

家を失ったり、家賃を支払えなくなったりすると、精神的に追い詰められてうつになる場合が多い。

生活困窮者の住宅対策は非常に重要だ。

 

ところが、現状の制度はあまりに手薄と言わざるをえない。

生活保護を受ける場合に家賃として支給される住宅扶助や、昨年4月にスタートした生活困窮者自立支援法に定められた離職によって家を失う可能性がある場合の住宅確保給付金(有期)くらい。

 

貧困に転落した人に対する救貧制度のみで、貧困転落を回避する防貧制度はないのが実情である。

 

収入に占める住居費を1~2割に抑えられると生活に少し余裕が生まれ、より多くのおカネを教育費や老後資金に回すことができる。ではどうすればいいのか。

 

空き家を積極活用せよ!

海外では公営住宅や低家賃の住宅があり、家賃補助制度も整備されている。

一方、日本では公営住宅が圧倒的に足りない。

 

2013年度の公営住宅の応募倍率は全国平均で6.6倍、東京都は23.6倍と、生活困窮者であってもなかなか入居できない。

 

そこで筆者が注目しているのは空き家の活用だ。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2013年の空き家は全国で820万戸、総住宅に占める割合は13.5%に上る。

 

折しも政府は3月18日、今後10年の住宅政策の指針として「住生活基本計画(全国計画)」(計画期間:2016~25年度)を閣議決定。

 

その中で「空き家を含めた民間賃貸住宅を活用して住宅セーフティネット機能を強化」という文言が盛り込まれた。ただしその具体策については明記されていない。

 

住生活基本計画のパブリックコメント(意見募集)では、家賃補助制度を求める声もあった。

しかし、国土交通省は「家賃補助制度については、民間家賃への影響、財政負担などに課題があり、慎重な検討が必要である」と回答している。

 

住宅は最大の福祉制度であると筆者は考えている。一歩ずつでも少しずつでも、社会投資としての住宅整備をしていく必要がある。

 

生活水準を上げるために貢献するはずの「教育」も、貧困の原因となりつつある。

2012年度のデータでは大学生の52.5%が奨学金を利用している。

 

7割以上が有利子貸与だ。2012年時点で日本学生支援機構の奨学金返還の延滞者は33万人超に上る。

 

教育を受けるために高い学費を払い、高額の奨学金を借りる若者が多い。

だがその教育に見合った仕事に就けるかどうかは不透明だ。そして返済は何年も続く。

 

奨学金を借りる背景にあるのは、学生の親世代の所得減少だ。

国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、民間企業の労働者の平均年収はピークだった1997年の467万円から2013年には414万円に下がった。

 

親からの仕送りも減少しており、奨学金を借りたり、アルバイトをしたりして、学費や生活費を工面しなければならない。

 

そうした中で台頭してきているのがブラックバイトである。

 

バイトを辞められない弱い立場である学生に対し、休憩なしの長時間労働やクリスマスケーキやおでん、衣服、化粧品などの自社商品を自腹で購入させるといったむちゃな労働を強いる企業が少なからずある(若者の貧困については拙著『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書)をご覧いただきたい)。

 

富裕層は社会の構成員として応分の負担を

学生の本分である勉強に専念する環境を作るためには、返済の必要がない給付型奨学金の拡充が欠かせない。財源は富裕層に対する課税だ。

 

奨学金問題に詳しい中京大学の大内裕和教授によると、給与所得は累進の最大税率が45%、株や債券などの金融所得が20%であり、この税率を同じ累進で最大45%にするか、あわせて総合課税すれば相当な財源ができるという。

筆者もおおむねその意見に賛成する。

 

富裕層が富裕な状況でいられるのは、社会があって労働者がいるからだ。

努力をした者が多くを得られることは否定しないが、その努力ができる環境も社会が与えたもの。

 

その社会が危機に瀕しているときには、社会の構成員として責任を応分に求めていくことを避けてはいけない。

 

 

教育に社会的な投資がなされれば、長期的には納税者として国を支える存在になる。

 

人が資源と考え、積極的に先行投資をしている北欧のほか、英国でも不平等研究の大家であるアンソニー・アトキンソンが『21世紀の不平等』の中で「すべての家庭に児童手当を支払うべき」と提言するなど、海外ではそうした考え方が広がっているが、日本では十分に議論がなされていない。

 

貧困層が厚くなればなるほど、税金や社会保障費は膨らむ一方だ。その状態が長く続けば、健康にも影響し医療費も増える。

 

放置すると上の世代にも下の世代にも影響を及ぼすのである。

貧困は人ごとではない。それを食い止めるためには日本全体で危機感を共有して議論を深め、早急に手を打つ必要がある。

 

引用:http://toyokeizai.net/articles/-/112331

 


「空き家」を持っていると大損する!? 知らぬ間に法改正されていた(3)

相続しない選択もある

とはいえ、自分を育ててくれた生家を更地にするのは、感情的に受け入れがたい、という人も多いだろう。

 

そんな人は、ALSOKや東急リバブルといった民間の住宅業者が行う、「空き家管理サービス」を利用するのもいいかもしれない。当然、この場合も「特定空き家」にされることはない。

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ただ、業者に管理の代行を頼むにしろ、相応の出費は免れない。富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏が語る。

 

「民間のサービスですので当然、料金が発生します。その相場は、月1万円、年間で12万円です。固定資産税に加え、この額を支払うのがいいのか。十分に検討が必要です」

 

売るのは嫌だし、業者に委託するのも厳しい。その場合は、自分で定期的に実家に帰ってメンテナンスするしかない。ただ、そのためだけに交通費と時間をかけるのが、合理的か。これもよく考えなければならない問題だろう。

 

2月末から施行される特別措置法によって、もはや空き家を持っている人が、出費から逃れることはできない。

 

いまはまだ両親が健在で実家に住んでいるが、近い将来、間違いなく空き家を持つことになる人は何をすべきか。

 

実家への愛着よりも、損を出さないほうが大事と考える人にとって最も有効なのは、相続しないという選択だ。

 

「家屋と土地の相続だけを放棄するのは、現行の法律上はできません。その場合は、家だけでなく、親の資産すべての相続を放棄しなければならないんです。

 

兄弟がいる場合は、兄弟のうちの誰かが、『住んでもいい』と言ってくれるケースはある。また、自分が相続した後に売ろうと思っても、『思い出があるから嫌だ』といって兄弟の中で意見が分かれることもある。誰が相続し、管理するのか。事前に家族でよく話し合っておくべきでしょう」(ファイナンシャルプランナーの横川由理氏)

 

昨年8月に施行された改正都市再生特別措置法も見ておくべきだろう。これは、広域にわたってバラバラに住んでいる地方の住民たちを一つの場所に集め、まとまって住んでもらおう、という計画だ。

 

「その場所を居住誘導区域と呼びますが、これは各自治体によって決められている。その中心区域は、建物の容積率を上げたり、あるいは税制優遇もされるようになる。これから空き家を持つ人は、家のある場所が居住誘導区域になるかどうか、よく見ておいたほうがいい。もし入るなら、将来的に資産価値は維持されますからね」

(不動産コンサルタントの長嶋修氏)

 

親の実家が負債としてのしかかる時代は、すでに来ている。そのとき考えるべきは、得をする方法ではなく、いかに損を出さないか、なのだ。

 

「週刊現代」2015年2月28日号より

 

引用:http://gendai.ismedia.jp

 


「空き家」を持っていると大損する!? 知らぬ間に法改正されていた(2)

家は資産ではなく負債

少子高齢化が進む一方で、新築物件が年間約100万戸のペースで建築されているのが、現在の日本の不動産業界。それだけに、東京・大阪といった都市部ですら、六本木や麻布といった「超」一等地を除いて、住宅が余りはじめている。

 

地方ならばなおさら、今後買い手がつかない空き家は増えていく。それをそのままにするべきか。それとも損を覚悟してでも売るべきか。「もはや迷っている場合ではない」と力説するのは、不動産コンサルタントの牧野知弘氏だ。

 

「私の知人は、バブル期に1億4000万円で買った横浜市内の高級住宅街の家を3000万円で売りに出したが、1年経ってもまったく買い手がつかない。物件によっては横浜ですらこんな状況なんですから、地方となれば、もう値段を気にしている場合ではない。

 

また、資産価値のなくなった家をそのままにしておけば、困るのは子供かもしれない。

『貸せない』、『売れない』、『自分も住まない』、三重苦の家を相続すれば、維持管理費用と税金を払い続けるだけになる可能性があるからです。

 

不動産が『資産』だった時代は終わり、これからは郊外の住宅を中心に多くの不動産が『負債』になっていく。空き家を持っている人は、まずその認識を持ち、現実と向き合うことが重要です」

 

では、どうしても買い手がつかず、売れないというケースはどうすればいいのか。自治体にすら引き取ってもらえない空き家は、すでに多数生まれている。

 

その場合の手段の一つとして考えられるのが、本当にタダで貸してしまうという方法だ。

 

前出の榊氏が言う。

 

「秋田県から出てきた知人がいるんですが、父親が高齢者施設に入ってしまい、土地と家を引き継いだ。広い土地があって大きな家もあるが、駅から遠く、資産価値はゼロ。どうしているかというと、近所の人にタダで貸しているんです。『田んぼで米ができると、4俵送ってもらうんだ』と言っていましたね」

 

賃料がタダでも、管理者がいるため、このケースならば前述の「特定空き家」には該当しない。つまり、固定資産税は従来どおり更地の6分の1で済む、というわけだ。

 

タダで借りてくれる人もおらず、本当に身動きのとれない人はどうすればいいのか。前出の牧野氏が言う。

 

「更地にして野に返すしかありません。ただ畑や野に戻すとすれば、いままで『宅地』として登記されていた土地は、『山林』や『畑』といった地目に戻すべきです。そうすれば固定資産税は安くなります。でも税金を徴収する側の自治体は、財政の約半分を固定資産税によって賄っていますから、すぐに地目を変えることには応じないでしょう。

 

『貸せない』、『売れない』不動産に対する固定資産税評価額に不満を持つ人も増えるはずです。この議論が、いままでひたすら住宅を造り続けてきた、日本の都市計画全体を見直していくきっかけになるかもしれません」

 

 

明日は「相続しない選択もある」についてのお話です。ご期待ください。

 

引用:http://gendai.ismedia.jp

 


「空き家」を持っていると大損する!? 知らぬ間に法改正されていた(1)

1000万円が8万円に

千葉県郊外に住む両親が亡くなって以来、10年間にわたって「空き家」となった実家を所有してきた、佐野義之さん(67歳・仮名)が嘆く。

 

「新しい法律ができていたなんて、まったく知りませんでした。私は東京在住で、千葉の実家に戻る気はありません。でも自分が生まれ育った家を壊すのは忍びないと思って、何となくそのままにしていた。でも税制上の優遇措置がなくなるなら、もう空き家のままの実家を持っているわけにはいきませんよ」

 

2月末から密かに施行されようとしている、「空き家対策特別措置法」をご存知だろうか。更地の6分の1だった固定資産税の税率が更地と同様になり、空き家を持つ人は従来の6倍の税負担を背負わされる恐れがある新法だ。

 

昨年7月に公表された総務省の統計では、全国に存在する空き家は820万戸を突破。その中には、いわゆる廃屋になっていて、倒壊の恐れがあったり、ホームレスのたまり場になっていたりする住宅も少なくない。

 

そんな「危険な空き家」を減らすため、というのがこの特別措置法の大義名分だ。国土交通省によると、施行後から自治体ごとに空き家を調査し、5月末を目処に廃屋同然になっている物件を「特定空き家」と認定。所有者に管理をするよう、「指導」を行っていくという。

 

この「指導」に従わない場合は、いままで更地の6分の1だった固定資産税の優遇措置が外されるのだ。

 

「何が『特定空き家』の基準なのかは未だ定まっていません。おそらく、その選定は各自治体任せになるでしょう。つまり、毎月のように通ってきちんと管理をしている人を除き、誰もがこれまでの6倍の税金を支払わされる可能性があるんです」(住宅ジャーナリスト・榊淳司氏)

 

いつの間にか法案が通り、気づけば施行が決まっていたこの特別措置法。だが、この存在に気づいて慌てて空き家を売りに出しても、待っているのは厳しい現実だ。

 

前出の佐野さんが語る。

 

「不動産屋を回り続け、ようやく『買ってもいい』と言ってくれる人が現れたのは、10軒目くらいだったでしょうか。でもその買値は、何と8万円。父がいくらで千葉の家を建てたのかは知りませんが、100坪程度の間取りからいって1000万円くらいは間違いなくしたはずです。それが8万だなんて……。しかも、その不動産屋は『家を壊して更地にしてくれなくてはダメだ』と言ってきたんです」

 

家屋の解体を業者に委託した場合、かかる費用は200万円程度が相場。佐野さんはつてを頼り、何とか安くしてもらえる業者を探したが、それでも150万円程度に抑えるのがやっとだった。

 

「さらに、解体だけでなく、実家の荷物の整理にもカネがかかる。それも、業者に委託すると200万円近い見積額でした。合計で350万円の費用をかけて、8万円で実家を売る。千葉郊外とはいえ、実家は一応大通りに面し、裏は公民館です。まさかこれほどの大損になるとは、思いもよらなかったですね。

 

年間6万円程度の固定資産税が6倍になっても、空き家を持ち続けるのがいいのか。それとも、350万円の損を被ってでも売ったほうがいいのか。毎日妻と話し合っていますが、結論はまだ出せていません」

 

明日は「家は資産ではなく負債」についてのお話です。ご期待ください。

 

引用:http://gendai.ismedia.jp

 


空き家の解体を相続人が行うときのポイント

日本では、近年、空き家の数が増加しています。人口が減少しているのに対して新築住宅は継続して建設されておりますし、

 

使用材料や建築方法も年々改良が重ねられ、住宅が長寿命化しておりますので、住宅ストックが増加していくことは自然の流れかもしれません。

 

空き家が発生する主な原因は相続による取得です。「実家を相続で取得したが、現居宅から遠く手入れに行けない」、「住宅を相続で取得したが、解体費用が高くてそのまま放置している」など理由は様々ですが、コストや手間を理由に放置されている住宅は相当数あります。

 

管理が行き届いていない空き家は倒壊の恐れや防犯面の懸念などがあるため、昨今、行政ではこれを問題視しており、利用予定の無い空き家の解体を推奨しています。

一定の条件を満たせば、建物解体の費用を助成してくれる行政も多くありますので、費用の工面から空き家を放置している方は、管轄の行政に相談してみましょう。

 

通常、相続対象の不動産の登記名義は故人の名前になっており、遺産分割協議の内容に合わせて建物や土地の所有権の移転登記を行います。この所有権移転登記には、登録免許税という税金と登記を依頼する司法書士の手数料がかかってしまいます。

 

利用予定のある不動産であれば、所有権移転登記を行っておくべきですが、解体予定である建物については、この所有権移転登記の費用が無駄になってしまいます。

 

建物解体後には、建物の滅失登記を行う必要があり、登記手続きは通常所有者本人でなければ申請できません。しかしながら、所有者が亡くなっている場合には、相続人であることを証明する書類を添付することで故人の名義のまま滅失登記を行うことができ、所有権移転登記を省くことができます。

 

相続時の所有権移転登記の登録免許税は、評価額の0.4%です。評価額300万円の建物の場合は12,000円ですが、実際にはこれに司法書士手数料が加算されます。書類作成や法務局への手続きなどを含め、司法書士手数料は3~5万円程度が一般的ですので、解体建物の登記名義を故人のままで滅失することで5~6万円程度のメリットが生まれます。

 

建物解体時の注意事項としては、税制面の問題が挙げられます。建物を解体してしまうと固定資産税の減税措置が受けられなくなってしまいます。また、建物の解体は、相続した空き家の譲渡所得3,000万円控除の適用条件など他の税制の控除などにも大きく影響を及ぼします。

 

 相続対象の空き家を解体するときには、解体の時期や手続きについて最良の方法を選択するために税理士、司法書士、土地家屋調査士などの専門家に相談することをお勧めいたします。

 

 


空き家の固定資産税を払わないとどうなるの?

毎年5月~6月頃に不動産の所有者に納税通知書が届く「固定資産税」。住宅などの不動産を所有している方であれば、毎年のことですので親しみのある税金ではないでしょうか。反対に賃貸住宅などに居住されている方は、いまいちピンと来ない税金かもしれません。

 

 この固定資産税は居住の有無にかかわらず、全ての不動産に課税されるため、空き家もその年の1月1日の所有者に納税義務が発生します。空き家などを相続した場合、固定資産税の存在を知らないと急に納税通知書が手元に届き、驚くこともあるかもしれません。場合によっては「急にお金を用立てるのが難しい」、「使ってもいない空き家のためにお金を使いたくない」などの理由により、固定資産税を納税しないケースがあります。今回は固定資産税を納税しないにどうなってしまうのかをまとめました。

 

 1.延滞金の発生 

  固定資産税は4期に分けて納税することができますが、各々納税期限が設けられております。この期限を過ぎてしまいますと延滞金が発生してしまいます。

 

 2.督促通知・催告通知 

  延滞金の発生とともに、納税を督促する通知が届きます。それでも納税されない場合には、催告通知が届きます。

 

 3.財産調査

  督促・催告の通知をしても納税がなされない場合、役所は法的手段に移ります。まずは納税義務者の財産調査が行われます。TV番組などでも時折特集が組まれておりますが、納税義務者の自宅に赴き、未納の固定資産税に充当できる財産を保持していないかを調査します。自宅の捜索などは、納税義務者の意思に関係なく実施することができます。また、金融機関などにも照会し、保持している財産を徹底的に調査します。

 

 4.差押 

  ここからは本格的な法的手段です。固定資産税の滞納をしている不動産やその他保持している財産に差し押さえが行われます。不動産の登記簿には差押が登記されてしまいますので、この段階までくると、自身の判断で売却することが出来なくなります。また、納税義務者が給与所得者である場合には、その他財産として給料を差押えるため、勤め先に「差押通知書」が届いてしまいます。勤め先の企業も突然「差押通知書」が届きますので、状況確認を行うなど精神的なストレスを感じる状況になるかもしれません。

 

 5.公売・競売 

  公売とは役所などが滞納している税金を回収するために、競売とは銀行などの民間が裁判所を通じて滞納している住宅ローンなどを回収するために差押を行った財産を売却することです。ここまで進んでしまいますと、滞納している税金や延滞金を支払う意思を示しても、公売や競売を止めるには相応の手続きが必要になってきます。

 

 固定資産税を含む税金の時効は5年と定められていますので、役所は滞納している税金が時効を過ぎぬよう5年以内に対処します。時効を中断する方法は「4.差押」が一般的ですので、5年以内に差押がなされてしまうと考えた方が良いでしょう。

 

 差押にならないまでも納税通知書の期限を過ぎた時点で延滞金が発生してしまいます。差押に至った際には、勤め先などにも迷惑をかける場合もありますので、相続等で空き家を取得した時には、その空き家を維持管理していく場合にかかる費用を改めて考え、維持管理するメリットを見いだせない場合には早めに売却をしてしまうことを検討してみるのもいいのではないでしょうか。

 

 


空き家の相続税は必ず10ヶ月以内に納付しましょう

相続という単語を考えたとき、「相続税」を一番初めに連想する方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。相続税は基礎控除があるから課税されないと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、平成28年の税制改正によって控除額が以下の通り減ってしまったため、相続税を納める相続事案が増えています。

 

 【相続時の基礎控除】 

 旧)5,000万円+1,000万円×法定相続人

            

 新)3,000万円+600万円×法定相続人

 

実生活の中で相続に関わる経験は少ないため、相続税の納付期限などはあまり認知されていません。

 

相続税の納付期限は「相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。普通に捉えれば亡くなった日の翌日から10ヶ月以内になります。10ヶ月という期間は長く感じるかもしれませんが、相続人の確定や相続税の工面などがスムーズにいかない場合は、10ヶ月というのは厳しい期間になります。

 

事前に相続に関する協議がなされていない場合、故人が亡くなってすぐに相続の話を始めることは不謹慎に捉えられてしまう傾向にあります。四十九日を経過し、落ち着いてから相続について考え始めると既に1ヶ月半が経過しています。その後、司法書士に依頼して法定相続人の確定や遺産の分割協議を始めていきます。スムーズに相続人が確定し、遺産分割協議が整うこともあれば、遺産の分割で揉めるケースもあります。

 

また、相続税が発生する場合、相続財産の中に現金等の流動資産が多ければ、その中から支払うことも可能ですが、相続財産の多くが不動産などの場合には、自己資金から相続税を捻出するか不動産を売却して現金化しなければなりません。通常、不動産を売却して現金化するには数ヶ月を要します。

 

前述の通り、相続税を支払うために現金の工面を行う必要がある場合には、10ヶ月という期間が難しい期間になります。申告・納付が期日よりも遅れた場合には、自動的に延滞金が加算されてしまいます。期日後2月以内は2~4%程度の低めの年利ですが、2ヶ月を過ぎると14.6%の年利になります。もし、100万円の相続税の申告が1年間遅れた場合には、10万円を超える延滞金が加算されます。

 

そして、延滞金よりも重要になるのは、相続税の算出における各種軽減措置が適用できなくなってしまうことです。軽減措置が受けられないものとして「配偶者控除」や「小規模宅地の特例」が挙げられます。

 

配偶者控除は、1億6,000万円または法定相続における財産金額の高い方まで相続税が控除される内容です。多くのケースではこれを利用すると配偶者分の相続税は0円になります。小規模宅地の特例は、一定条件を満たすと相続税評価が80%減ぜられる制度です。

 

これらの減税措置を利用すれば相続税が大幅に減ずることが出来たのにも関わらず、10ヶ月という期日を過ぎてしまうと制度が利用出来なくなり、多額の相続税を納付しなければならない恐れが出てきます。

 

納付すべき相続税が増えてしまうことは多くの相続人が本意では無いと思います。適切な減税措置の適用を受けるためにも、相続が発生した場合には、早めに税理士や司法書士などの専門家に相談をして納付期限までにやらなければならないことを相続人の間で共有するようにしましょう。

 

 


空き家の相続を受けたときの魅力的な減税措置が始まりました!

 平成25年の総務省の調べでは、全国で 約820戸もの空き家があるという結果が 出てきています。また、この空き家の数は年々増加していく傾向にあります。

 

人口減少の時代を迎えた日本において、新築マンションなどが継続して分譲されているため、少しずつ空き家が増えていくことは自明の理かもしれません。

 

 空き家の中には、しっかりと管理がなされている空き家もありますが、現居宅との距離が遠いことや維持管理の費用が高いことを理由に管理が不十分な空き家も多くあります。

管理が不十分な空き家は倒壊のリスクや防犯・防災の観点で問題視されています。

 

 空き家は相続で取得するケースが多々あります。居住していた住宅を売却するときには様々な減税措置を受けられますが、非居住である空き家に関しては減税措置が受けられず、結果として、これが相続を受けた空き家について売却などの処分が進まない理由の一つと

なっていました。

 政府は、この空き家の問題に対応するため、平成28年度税制改正にて空き家の売却に関する減税措置を講じました。その内容は、相続を受けた空き家の売却について、一定の条件を満たすことで居住用不動産の売却と同様に譲渡所得の3,000万円控除を受けられるというものです。

 

 相続を受ける不動産は取得経緯や金額が分からないものも多く、その場合には売却金額の5%が概算取得費用として適用されてしまいます。経費等を差し引いても売却金額の90%程度が譲渡所得の扱いになり、20.315%の税金が課税されてしまうのです。3,000万円の控除を受けられることで以下の通り大きな減税効果を得ることが出来ます。

 

 【例】譲渡所得4,000万円の場合

     控除無し:4,000万円×20.315%=812.6万円(譲渡所得税)

     控除有り:(4,000万円-3,000万円)×20.315%=203.15万円(譲渡所得税)

 

 相続した空き家において譲渡所得の3,000万円控除を受ける場合には、以下の条件を満たす必要があります。

  ①相続開始直前(亡くなる直前)において被相続人が1人で住んでいたこと

    →相続によって空き家になってしまう。

  ②旧耐震基準(昭和56年5月31日以前)に建築された家屋であること

                              (マンションは除く)

    →現在の耐震基準に適合せず、地震等で倒壊の危険性がある。

  ③相続開始から売却時まで賃貸など事業の用に供していないこと

    →事業等に利用するほどの空き家ではない。

  ④売却金額が1億円以下であること

    →一般的な住宅に範囲を限定すること

  ⑤相続日から起算して3年を経過する12月31日までに売却すること

    →放置することで倒壊等の危険が継続するため、一定の期限を設ける。

  ⑥平成28年4月1日から平成31年12月31日までに売却すること

    →⑤と同様に期限を設ける。

  ⑦家屋を取り壊さずに売却するときは新耐震基準に適合することを証明すること

    →売却後も同じ家屋を利用する場合には、倒壊のリスクを軽減するため、現在の耐震基準に適合していなければならない。

 

 今回の減税措置の趣旨は、相続した空き家の処分を推進させることですので、前述のように条件が限定されています。この減税措置を受けるためには、条件を満たすために故人の居住状況や取り壊した建物の状況を証明することなど多くの提出書類を用意する必要があります。

 

書類等が不足して減税措置が受けられない場合には最大約600万円も手取り金額が減ってしまう恐れがありますので、この特例措置を利用する場合には、予め税理士等の専門家にご相談することをお勧めいたします。


空き家の相続放棄の方法を知ろう

相続には様々なケースがありますが、故人が独りでお住まいになっていた場合などには、空き家が相続対象の財産になります。

 

空き家などの不動産は現金と違って分割がしにくく、更に市場価値が不安定であることや相続後の維持管理の問題などもあり、相続時のトラブルの一端になる可能性が

あります。

 

現居宅からは遠くて維持管理が出来ない、市場価値が低く売却が難しいなどの場合には相続人から外れる手続きである「相続放棄」も選択肢の一つになります。今回は相続放棄の方法についてまとめました。

 

相続放棄において一番気をつけなければならないことは期限です。相続放棄ができる期限は自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内です。3ヶ月を超えても相続放棄が認められるケースも例外としてありますが、まずは3ヶ月以内に手続きをしなければならないということを覚えておいた方が良いでしょう。

 

相続放棄の手続きを行うのは家庭裁判所であり、故人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所に手続きをしなければなりません。現居宅から近い家庭裁判所に出向いても管轄外となってしまいますので、注意が必要です。

 

費用は1,000~2,000円程度です。収入印紙が800円、その他に書類発送用の郵便切手代を加えて前述の費用になります。郵便切手代については、家庭裁判所に確認してみましょう。

必要になる書類は、以下の3点です。

 ①は相続放棄をするという意思表示、

 ②は本人と故人(被相続人)との関係を示す、

 ③は故人(被相続人)の特定を意味しています。

もちろん、相続の内容によっては裁判所から他にも資料提出を求められる場合もあります。

 ①相続放棄申述書

 ②相続放棄する人の戸籍謄本

 ③故人の住民票除票または戸籍の附票

 

これらの必要書類を家庭裁判所に提出することで相続放棄の手続きが進みます。

提出書類を家庭裁判所が確認した後、家庭裁判所から照会書という書類が届きます。

今回の手続きに間違いが無いかという確認書類であり、これを裁判所に返送することで手続きが完了いたします。

 

相続放棄は一度手続きを行ってしまうと、原則として取り消しは出来ません。他の相続人の判断や相続財産に影響を与えてしまうからです。

また、相続放棄を選択したとしても、他の相続人や相続財産の関係業者(借金の金融機関など)に通知が届くわけではありません。ご自身の相続放棄の選択により、相続人が増えることや他の相続人の相続財産が変わることが考えられます。

 

相続の手続きが終了した後も親族としての関係が続いていきますので、相続放棄を選択する場合には、その後のトラブルを回避するためにも他の相続人にご自身の判断をお伝えしておいた方が良いでしょう。

 

たとえ故人の借金が生前から明らかであったとしても、生前には相続放棄の手続きを進めることは出来ません。

また、3ヶ月という期間を経過してしまうと相続放棄を選択することは原則として出来なくなります。相続に関する重要な決定となりますので、専門家にも相談しながら、速やかな判断をすることを心がけましょう。


空き家を相続後に売却するときの譲渡所得のポイントを知ろう

不動産を売却した時に取得した時の金額よりも高く売れたことで利益が得られた場合には、利益(譲渡所得)に対して税金が課税されることはご存知でしょうか。

 

建物は経年で劣化していくものですので、取得した時の金額よりも高く売れるということがイメージしにくいかと思います。

 

取得後に街の再開発や大型ショッピングモールの誘致が決まって街全体の資産価値が向上することもあれば、ヴィンテージマンションとして認知されて価値が維持向上することも稀にあります。

しかしながら、これらの事例よりも譲渡所得税が発生しやすいのは取得したときの金額が不明確である場合です。

 

取得した時の金額が分からない不動産を売却した場合、取得した時の金額は概算として売却時の金額の5%が計上されてしまいます。昨今取得した不動産であれば、売買契約書などがしっかりと締結されており、不動産取得時の金額を調べることは容易に出来ると思います。

 

しかしながら、昔ながら先祖代々保有してきた土地や親族間での売買によって取得した土地建物など取得時の書類保管が乏しく、取得した時の金額を把握することが難しい不動産も存在します。

現代では核家族化が進み、実家から離れて都心部などで生計を営む方が増えています。

親御様など親族がお亡くなりになり実家を相続にて取得したが、既に相続人は実家から離れており現居宅からの距離が遠く維持管理が難しいことから実家を売却するケースなどもあります。

 

実家のどこかに取得した時の売買契約書などが保管されていれば良いのですが、取得金額が分からない場合には以下の通り納付すべき税金が大きく変わってしまいます。この事例では、約370万円も税金が増えてしまいます。

 

 例① 売却金額3,000万円 取得金額2,000万円 所有期間5年超 非居住用の場合

   (3,000万円-2,000万円) × 税率20.315% = 譲渡所得税2,031,500円

 例② 売却金額3,000万円 取得金額が不明 所有期間5年超 非居住用の場合

   (3,000万円-150万円) × 税率20.315% = 譲渡所得税5,789,775円

 

日本では、この事例のように現居宅から遠いなどを理由に適切な維持管理がなされていない空き家が増えてきています。

平成25年に総務省から公表された資料によれば全国で約820万戸の空き家が発生しています。維持管理が出来ていない空き家には防災防犯性の低下や枝葉の越境など近隣トラブルの懸念が高まってしまうため、空き家の売却を促進するよう平成28年度税制改正により「空き家の譲渡所得3,000万円控除」が新たに設けられました。

 

一定の条件を満たした空き家の売却に対して、譲渡所得を3,000万円控除する内容であり、これの適用を受けられれば前述の①②も税金は課税されなくなります。

 

相続によって空き家を取得した場合は、故人がその空き家を取得した時の金額が引き継がれます。前述の通り、取得金額が分からない場合は、基本的に譲渡所得税が課税されてしまいます。売買契約書など取得したときの金額が分かる書類の有無を早めに把握することが非常に重要であるとともに、現在は「空き家の譲渡所得3,000万円控除」の適用が受けられるケースに該当するかも同じく重要なポイントです。

 

取得時の金額を証明する書類として当時の金融機関の振込履歴や登記簿謄本の抵当権などが認められる場合もあります。「空き家の譲渡所得3,000万円控除」の適用も含め、空き家を相続する可能性がある場合には、税務署や税理士に相談しながら早めに対応を進めていくことをお勧めいたします。


空き家を相続放棄した際の責任の範囲と責任を取らなかった際の罰則は?

相続が発生した場合、相続を受けるか

受けないかを選択が出来るようになって

います。

 

相続では、現金や不動産などの資産の他、借金などの債務がある場合にはこれらも

相続対象になります。

 

取捨選択は出来ませんので、借金だけは相続しないという判断は出来ません。

 

 2,000万円の戸建と3,000万円の借金が相続対象の場合、多くの方は相続をしない選択を

すると思います。相続をしないという選択を相続放棄と言い、これは相続の開始を知った

日から3ヶ月以内に裁判所へ申し出をしなければなりません。

 

 相続放棄を選択した場合、全ての責任を免れることができると考える方も多くいらっしゃいますが、相続放棄を選択しても責任が負わなければならないものもあります。

それは「不動産の管理責任」と「日常家事債務」です。

 

「不動産の管理責任」とは、空き家や土地などが相続財産に含まれる場合に該当します。

民法第940条では、「相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、事故の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」と規定されています。

 

相続放棄を選択しても、相続人が決定してその不動産の管理を始めることが出来る時までは管理を行う責任を負うことになっています。相続によってその不動産の管理者が不明確にならぬよう、管理責任の所在を明確化することを目的としています。

 

相続人全員が相続放棄を選択する場合は、裁判所に相続財産管理人を選定する申し立てをしなければなりません。申し立てがあった後、相続財産管理人が処分方法の検討を始めるため、このようなケースの場合は、その不動産の管理責任を長期間負わなければならない

と考えておきましょう。

 

「日常家事債務」は、夫婦間に適用されます。民法第761条では「夫婦の一方が家事に関して法律行為を行ったときは、他の一方が連帯してその責任を負う。」と規定されています。これには水道料金や電気料金の支払いも対象となります。

例えば故人が水道料金や電気料金を生前に滞納していた場合、夫婦のもう一方が相続を放棄しても、この債務は放棄出来ないことになります。

 

どちらも法に基づく内容であるため、何かしらの問題が生じたときには責任を取らなければなりません。相続放棄後に相続人が確定する前に相続対象の空き家で火事が発生し、隣家などに延焼した場合には、相続放棄をしていても損害を賠償しなければならない可能性があります。責任を放棄して賠償を拒んだとしても、最終的に裁判にて債務が認められてしまえば、ご自身の他の財産が差し押さえられてしまう可能性があります。

 

これらの問題がトラブルに発展しないためには、早い段階で相続に対して向き合っていくことが大切です。相続放棄とはどういうことなのか、相続放棄をした後に新しい相続人(管理者)が決まるのはいつ頃になるのか、問題を抱える前に司法書士など相続に関する専門家に相談をしてみることをお勧めいたします。


空き家を相続放棄しても管理義務が無くならないって本当??

相続が発生するとき、空き家が相続財産に含まれていることが多くあります。

故人が独り暮らしをしていたケース、故人が別荘を保有していたケース、故人も親族から田舎の空き家を相続して保有していたケースなど、空き家が相続財産の対象になることは珍しいことではありません。

 

 相続財産が現金であれば、間違いなくプラスになると判別が出来ますが、空き家の場合は難しい判断を迫られることもあります。

 

相続税などの計算は評価額を基準にしていますが、実際に流通性のある空き家であるか難しいものもあります。

 

例えば、田舎では、土地価格が低いため、建物の利用価値が無ければ、解体費用などの経費でマイナスになってしまう場合もあります。土地の坪単価が5万円で30坪の土地に築50年の古家がある場合、150万円の土地価格があったとしても、建物の解体費用には5万円/坪程度はかかってしまいますし、この他にも売買の仲介手数料や測量費用などもかかり、売買手続きのための交通費も必要になります。

 

相続を受けるということは、資産と併せて債務も受けるということであり、取捨選択は出来ません。前述のように実態として資産価値の低いものや債務を相続することでマイナスになってしまう場合には、相続を受けない「相続放棄」を選択することが出来ます。

 

ここまで書くと、相続放棄を選ぶことで相続手続きからすぐに離脱できるとお考えの方も多いかと思いますが、空き家などの不動産については、相続放棄を選択しても以降の管理義務が生じるケースがあります。

 

民法第940条では、「相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、事故の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」と規定されています。

 

あなた自身が相続放棄を選択し、他の親族などの相続人が相続を受けることを選択した場合には、すぐに相続人が決まるため、管理義務も早く手離れします。しかしながら、魅力的な相続財産ではないと相続人全員が判断し、全員が相続放棄を選択した場合には、裁判所に相続財産管理人の選任申し立てを行う必要があります。

 

相続財産管理人は相続人ではなく管理人であるため、活動している期間においても相続人が確定していない扱いであり、その期間の管理責任は相続放棄を選択しても当初の相続人が負うことになります。

 

相続財産管理人が活動している間に空き家が倒壊して、隣家に迷惑をかけて損害賠償を求められた場合は相続放棄を選択していても、賠償義務が生じる可能性もあるということです。

前述のようなトラブルを防止するためには、生前に相続などについて、しっかりと話し合いの場を作ることが重要です。

 

どのような財産(市場価値を含む)があり、どのような債務があるのか、誰が相続するのか、管理するのか、生前贈与など生きている間に講じることができる対策もあります。

現状を把握し、問題を先送りしないことが相続トラブルを回避するポイントの一つです。


空き家の相続放棄をすると国庫に取られる?

■相続放棄の行方

 現在、日本全国で空き家の増加が問題になっています。

 

2013年時点における空き家の数は約819万戸ですが、2015年に野村総合研究所が発表した予測では2033年には2150万戸に増加するとされています。

 

 空き家を保有することになる一番の理由は「相続」です。

親や祖父母、親族などがお亡くなりになり、遺産を相続する手続きにおいて、実家や畑などの不動産を保有するケースが多くあります。

 

アパートや月極駐車場など収益を得られる不動産であれば、そのまま保有してもメリットはありますが、築年数の古い戸建や畑は収益を得られることは無く、むしろ、建物の維持管理や雑草や樹木の枝葉の処理など保有していること自体が大変です。

 

また、相続では資産以外にも借金などの負債も対象になります。

1,000万円の価値がある土地でもこれを相続するために1,500万円の借金も相続しなければならない場合もあります。

 

 前述のように、相続では様々なケースが考えられるため、相続を受けるか受けないかを相続人が選択できるようになっています。

 

相続を受けないという選択を「相続放棄」と言います。

相続放棄は相続を受けないという意思表示であるため、借金の相続も無ければ、現金や不動産などの資産の相続もありません。

 

 相続対象が1,000万円の価値がある不動産と2,000万円の借金であったとすれば、皆様はどのような選択をするでしょうか。この場合、多くの方が相続放棄を選択すると思います。では、相続人全員が相続を放棄した場合はどうなるのでしょうか。

 

 結論としては、最終的に「国庫に納められること」になります。

相続人全員が相続を放棄した場合には、誰も引取り手がいなくなりますので、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。

 

相続財産管理人は、改めて相続人を捜索したり、相続債務の弁済を行います。

また、相続人以外の特別縁故者を探して財産を分与する場合もあります。

これらの手続きの後、残余資産があれば、最終的に国庫に帰属することになります。

 

 しかしながら、空き家などの不動産の場合、国庫(国)が引取りを拒否するケースもあります。国としても維持管理に手間のかかる不動産はできるだけ保有したくないという事情があるからです。

 

国が引取りを拒否した場合、相続財産管理人が引取り手を探す業務が長期化していきます。相続財産について、新しい引取り手が決まるまでの間の管理責任は相続人が負わなければならないという民法の規定があります。

 

これらの手続きを進めている間に空き家で火事が発生し、隣家に延焼してしまった場合には、相続放棄をしていても賠償する責任を負う可能性があるということです。

 

 相続放棄を選択出来るのは、相続が発生した日から3ヶ月以内です。相続放棄をしてもしばらくは管理責任を負う可能性があることも考慮しながら、どのような選択が良いか、不動産業者や司法書士などに確認してみてはいかがでしょうか。


空き家を売却した人の声を聞いてみた

日本全国で増加傾向にある空き家。

防犯性の低下や枝葉の越境など様々な問題を引き起こす可能性があります。 

 

しっかり手入れをして賃貸として運用することも活用方法のひとつですが、内装をリフォームしたり、設備を維持するなど、手入れをするにもそれなりの経費と労力を要します。

 

将来的な利用目的が無いのであれば、売却してしまうのも方法のひとつです。

 

 今回は、空き家を売却した人の感想などを集めてみました。

 

「戸建に住んでいましたが、孫の世話をするために娘夫婦の近くのマンションへ引っ越すことにしました。マンションは住んでいた戸建よりも狭く、荷物が置けないことや住んでいた地域には昔からの友人も多数住んでいることから、すぐに売却をしてしまうことには躊躇いがあり、そのまま空き家にしておきました。空き家にした当初は、何度も昔の戸建に帰っていましたが、夏が近づき外が暑くなると家の管理のために、戸建に戻るのが億劫になってきました。季節柄、戸建周囲の草はどんどん伸び、管理も難しくなってきたので、不動産業者に相談の上、売却することにいたしました。長年居住した我が家ですので、売却時には寂しさもありましたが、管理を継続していくことを考えると売却の決断で良かったと思います。」 

70代のご夫婦

 

 

「相続により、兄と2人で実家を共有することになりました。お互い実家を離れていることもあり、建て替えをしてその地に引っ越すほどの愛着も無かったので、早々に売却をして現金化しました。高く売れた方がもちろん良かったのですが、私も兄も家が遠く、高値を目指して売却を長引かせることの方を嫌い、最終的には早々に現金化するために不動産買取業者さんをいくつか紹介してもらい、その中で高値を付けた業者さんに売却しました。」

40代男性

 

 

 

「父親が3年前に亡くなり、母親を引き取るとともに、兄弟を含めて6人の共有名義で相続をしました。もともと住んでいた家は空き家になりましたので、母親の意向もあり、売却する方向になりました。当時、買主様の方で土地を造成して建替える計画とのことでしたので、決済前の建物解体に協力することにいたしました。最終的な決済を12月に予定していましたが、共有名義であったため、書類準備に手間がかかり、決済が2月上旬になってしまいました。売却などは無事に終わりましたが、1月1日時点で建物が無かったことから、固定資産税が跳ね上がってしまい、買主様と不動産仲介業者でトラブルになりました。当方の書類準備の問題もあり、少々金銭を負担する結果になってしまい、後味の悪い結末でした。」

60代男性

 

 空き家の売却に携わりますと、売却価格にこだわるのはもちろんですが、空き家の維持管理から開放されることに安堵の感想を示されることが多いというのが印象です。特に昔ながらの分譲地などで近隣に知人が多い方は、維持管理に関する心配が強いようです。

 空き家をどうするのか、各家庭で難しい問題ではありますが、他の事例をご参考に今後の方針を今一度お考えになってみてはいかがでしょうか。


空き家問題の解決策

 近年、空き家は増加傾向にあり、問題として取り上げられることが多くなってきました。

 

老朽化が進み、適切な管理がなされていない空き家は、倒壊の恐れもあります。

また、樹木や雑草などが伸び続けてしまうことでの周辺の景観への悪影響や放火や不審者の侵入など治安の悪化なども懸念されます。

 

 空き家が増加している原因の1つに「税制」が挙げられます。

不動産を所有している場合には固定資産税が毎年課税されます。

 

固定資産税は、敷地面積200㎡以下で建物が建っている土地について、住宅用小規模宅地として優遇されており、固定資産税が6分の1になります。

そのため、更地にしてしまうと翌年の固定資産税が大幅に上がってしまいます。

このような状況から、取り敢えず方針が決まるまでは建物はそのまま残すことが多くなっています。

 

 空き家の問題を解決するためには、活用方針を決定する必要があり、大きく以下の3つに区分されます。

  ①自己利用 … 現在または将来的に自身が居住する。

  ②賃貸 … 収益を得るために貸し出す。

  ③売却 … 売却して現金化する。

 

 自分が利用するか否か、自分が利用しないなら有効な利用方法は有るか否か、という順で考えることが一般的ですので、①から③に向かって検討が進みます。

 

 ①については、建替えたり、リフォームなどのメンテナンスを施して、すぐに住み始めるほどに魅力があるならば有効な活用方法だと思います。

 

しかしながら、将来的に住むかもしれないという考えのまま空き家を置いておくことは有効とは言えません。それまでの間、冒頭の空き家のリスクと向き合わなければなりませんし、固定資産税や火災保険、設備の維持費用など少なからず経費が発生します。

 

どうしてもその土地や建物にこだわる理由が無いのであれば、②賃貸か③売却を選択することをお薦めいたします。

 ②については、一見有効な活用方法に感じられます。賃借人が入ることで空き家では無くなり、治安の問題なども解消します。また、一定の賃料を得られるメリットもあります。

 

しかしながら、賃貸に出すことはそれなりのリスクを伴います。給湯器やキッチン水栓など住設機器の修繕費用を負担する必要がありますし、民法により住居の確保が優先されることから、退去を拒まれた場合にトラブルにつながる懸念もあります。

 

賃借人が居座ってしまうと売却したいタイミングで売却できなくなるかもしれません。

これらのリスクは把握しておくことをお薦めいたします。

 

 ③は最終的な活用方法として考えられがちですが、この方法が一番のおすすめです。

現在、空き家問題の対策として、一定の条件を満たせば、空き家の譲渡所得税を軽減する税制の優遇措置があります。

 

また、売却をして一度現金化をすることで有効に活用できる幅が広がります。②に近い考え方であれば、ワンルームマンションなどの投資用物件に買い替えることや株式に投資することも可能です。

 

また、自宅に住宅ローンが残っていれば、売却資金を繰り上げ返済に充当することで将来的な金利支払いを減らすメリットが得られます。現金化することで運用の幅が大きく広がりますので、空き家を維持していくリスクを考慮すると一番お薦めする方法です。

 

 空き家問題の解決策、それは空き家を保有していくことによるメリットとデメリット、費用面や精神面の負担などについて、まずはしっかりと向き合い、どの活用方法が自身の考え方に合っているのかを確認することが第一歩です。判断に迷う場合には、近くの不動産業者などにもご相談をしてみましょう。


空き家を売却せずに賃貸での活用は有効??

 相続などで空き家を所有することになった場合、売却するのか、そのまま持ち続けるのか、悩まれる方も多いと思います。

 

大きな資産ですので、判断に迷ってなかなか結論が出せず、そのまま持ち続けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 空き家は、持ち続けるだけでも固定資産税が発生します。

何もしなければ、赤字になってしまいますので、少しでも有効に活用するために賃貸に出すことも選択肢の一つです。賃料収入を得られることが最大の魅力ですが、リスクも少なからず発生します。今回は空き家を売却せずに賃貸で活用することが有効かどうか、賃貸でのメリットとデメリットを踏まえてまとめました。

 

①売却価格と賃料のバランスを考える

 ご所有の空き家が古い一軒家であった場合、資産として価値があるのは「土地」であり、建物には価値がほとんどありません。資産価値2,000万円の古い一軒家であれば、すぐに売却するよりも、建物が使える間は賃貸で活用し、賃貸収入を得てから売却することをお薦めいたします。

 

 建物が築10年程度など新しい場合は、建物にも資産価値があります。この場合は、賃貸で活用している間も築年数は経過してしまい、建物の資産価値は少しずつ下落していきます。賃貸収入と建物価値の下落幅のバランスを考えながら、売却が良いか賃貸活用が良いか判断する必要があります。

 

②付帯設備の修繕は貸主の責任

 空き家を貸したら、賃貸収入がそのまま利益になるということはありません。お風呂やキッチンの水栓など建物に設置されている設備が故障した場合には、貸主側で修繕を行う必要があります。修繕のために業者を手配すると数万円~数十万円の費用がかかってしまいます。

 

古い住宅を貸し出す場合には、特に水回りの設備の劣化状況を確認しておくことをお薦めいたします。家を丁寧に使っていただける賃借人もいれば、反対に賃貸と割り切って乱雑に使用する賃借人も中にはいらっしゃいます。

これは入居してからでなければ分かりませんが、設備関連に費用負担を負う可能性があることはしっかりと認識しておきましょう。

 

③賃借人が立ち退かない可能性

 一般的に賃貸借契約の契約期間は2年間ですが、更新をオーナー側が拒否しても正当な事由が無ければ、賃借人保護の考え方から、賃貸借契約は継続してしまいます。

この正当な事由という部分が難しいポイントであり、例えば、お金が必要になったので、貸している空き家を売却するために賃借人に退去して欲しいという要求、これは正当な事由にならない可能性があります。

 

もちろんオーナー側の退去要望に理解を示し協力的な賃借人であれば問題になりませんが、立ち退かない賃借人がいる場合は、売却などのプランに影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記の通り、賃貸で活用することは多くのリスクが潜んでいます。賃貸に出すことが全て間違いということではなく、これらのリスクを考慮しながら、適切に判断を下せる場合は賃貸での活用が有効であると思います。

 

①②は物件によって異なりますので、不動産業者に相談した上で賃貸に出すか最終的なご判断を下すことをお薦めいたします。


空き家を売却する方法

 相続などで取得した「空き家」。

貸家にして賃料収入を得るなどの利用方法もありますが、維持管理は意外に大変です。

 

常に借り手が居るわけではありませんので、空き家の間は、雑草を抜く、建物に風を通す、設備を試運転するなど手間がかかります。

 

放っておくと、シロアリの被害を受けてしまう恐れもあります。また、そのような状態の家を自宅とは別に保有しているだけでも精神的な悩みになります。

 

 将来を考えたとき、その空き家を建替えて住むなど明確な利用方法が無いのであれば、早めに売却してしまうことも考えてみてはいかがでしょうか。

 

基本的な売却の流れは一般住宅の売却と同様ですが、今回は、空き家という観点から売却時のポイントについてまとめました。

 

ポイント①:取得時の価格を確認しておきましょう

 不動産を売却した際、「取得時の価格」よりも「売却時の価格」が上回り、譲渡益が発生した場合には、譲渡益に対して譲渡所得税が課税されます。

「売却時の価格」については間違いなく把握できますが、「取得時の価格」について把握することは難しい場合があります。

 

親や祖父母がその空き家を取得した当時の契約書や領収証などが残してあれば良いのですが、書類関係が見つからない場合もあります。 「取得時の価格」が確認できない場合は、「売却時の価格」の5%が概算取得費用として適用されてしまいますので、多額の譲渡益を得たことになってしまいます。

 

 また、空き家を売却するということは「非居住」の不動産を売却するということです。

現在の税制では、居住している不動産に関する優遇特例は充実していますが、空き家で優遇特例を受けられる条件は非常に限定されております。

 

 優遇を受けられなければ、5年以上の長期保有の場合でも譲渡益に対して20.315%の譲渡所得税がかかります。最終的な手取り金額に大きく影響しますので、「取得時の価格」は早めに確認しておきましょう。

 

ポイント②:不動産業者に鍵を預ける

 空き家であり、建物の中に資産価値の高い家具等が無ければ、売却活動を依頼した不動産業者に家の鍵を預けてしまうことをお薦めいたします。

 

物件案内の都度鍵を開けに行くことは、地理的に難しい場合もありますし、それができたとしても、大きな手間と労力を要します。鍵を預けてしまえば、不動産業者へ問合せがあったときに気軽に見学を促すことができますし、建物の状況を見てもらうこともできます。

 

ポイント③:設備の状態はしっかりと確認しておく

 「古家付土地」として売却するのか「中古戸建」として売却するのかによって変わりますが、「中古戸建」の場合は建物も対象になります。

 

建物を売買する場合には、各種設備の状況をまとめて買主側へ説明することが一般的です。キッチンに不具合は無いという報告とともに売買した後、一定期間内で不具合が見つかると、売主側で修理をしなければなりません。また、購入検討者が見学している段階で前述のような不具合を伝えられていなければ、契約ギリギリになってリフォーム費用などで揉める可能性もあります。

 

空き家を理由に設備状態の把握を怠ると、契約直前や引渡後にトラブルになる恐れがありますので、実際に試運転などをしておきましょう。  不動産売却の流れ

 

 空き家を売却する際には、上記のようなポイントにご留意することをお薦めいたします。また、空き家を売却する場合には、物件に住んでいないことから、物件の見学件数や見学した方の感想などを売主として把握することが難しくなります。

 

空き家を売却する際に一番重要なことは売却活動の状況などを的確に報告でき、適切なアドバイスができる不動産業者を選ぶことでしょう。


空き家を売却すると税制優遇を必ず受けられる?

増加傾向にある空き家への対策として、平成27年2月に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。

 

これを受け、平成28年度の税制改正大網において、相続で取得し、一定の条件を満たした空き家には譲渡所得の3,000万円控除が適用されることになりました。

 

 譲渡所得税の税率は20.145%ですので、最大で約600万円の税金が優遇される特例です。空き家は相続で取得することが多く、被相続人(亡くなった方)がその空き家を購入した時の金額が不明であることが多々あります。

 

その場合、売却価格の5%を取得価格とみなすため、売却時に多額の譲渡所得税が発生する可能性があります。

 前述の通り、この税制優遇を受けるためには一定の条件を満たす必要があり、全ての空き家の売却に適用されるわけではありません。

 

今回は、この特例を受けられるか否かの一定条件を詳しくご説明いたします。

 

条件①:期間限定の特例であること

 いつまでの続く特例ではなく、平成28年4月1日から平成31年12月31日までに売却する

ことが条件の1つです。今後の空き家数の推移から期間が延長される可能性もありますが、現時点ではこの期日までに売却する必要があります。また、この「売却」という意味合いは、「所有権移転」を指します。通常の売買契約では、契約から所有権移転(引渡)まで数ヶ月を要しますので、期日が近くなりましたら、この辺りも考慮にいれましょう。

 

条件②:特定の期間内に売却すること

 相続が発生してから3年経過する年の年末までに売却することも条件の1つです。

条件①を踏まえると、平成25年1月2日以降に発生した相続で取得した空き家が対象となります。

 

条件③:被相続人が亡くなる前に一人暮らしであったこと

 被相続人が亡くなる直前にその家に一人暮らしであったことも条件になっています。

亡くなる直前を老人ホームなどで暮らしていた場合は対象外です。

 

条件④:相続から売却までに間に事業に利用していないこと

 空き家を相続して扱いに困っている方に売却を促すために優遇する制度ですので、事業に利用した場合は優遇の対象から除外されてしまうので注意が必要です。

 

条件⑤:建物が旧耐震基準の建物であること

 昭和56年6月1日をもって建築基準法は大きく改正されており、それ以前を旧耐震、以降を新耐震と呼びます。地震などによる空き家の倒壊などを防ぐことを目的としているため、現在の耐震基準に満たない旧耐震の建物が条件になっています。建物を解体して売却する場合には、旧耐震基準の建物が存在していたことを証明する必要があります。

 

条件⑥:売却後、住み続ける場合には新耐震基準への耐震補強が必要

 条件⑤の通り、災害対策の一環にもなっているため、この特例の適用を受けながら住み続ける場合には、新耐震基準を満たす耐震補強のリフォームが必要です。

 

条件⑦:売却金額が1億円を超えないこと

 上限の金額が決まっています。固定資産税の精算なども売却金額の一部に含まれるので上限ギリギリの売却は注意が必要です。

 

前述の通り、空き家に対する税金の優遇は非常に限定的であり、誰でも受けられるものではありません。

また、条件が多いため、この特例を受けることを考えるならば、早めにしっかりと条件を確認し、場合によっては税理士へご相談することをおすすめいたします。


空き家を売却するメリット

相続などで空き家を保有することになった場合、このまま保有していた方が良いのか、売却してしまった方が良いのか、判断に悩むところです。今回はそんなお悩みを抱くあなたのために空き家を売却するメリットについて、まとめました。

 

空き家を売却するメリット①

維持管理の大変さが無くなる

 空き家が住んでいる場所の近くならば、気軽に行くことができるので、移動はそこまで手間にはなりません。

 

しかしながら、田舎で空き家になっていた実家を相続した場合など、大きな移動を伴う空き家の維持管理は大変です。移動に要する時間や旅費、場合によっては宿泊場所の確保も必要です。

 

 また、住宅は住んでいないと傷みやすくなります。戸建住宅の天敵である白アリは日光と震動が苦手です。

空き家は、居住者が歩いたりする震動が無く、薄暗い環境が多いため、白アリには快適な環境です。

 

白アリは住宅に侵入する際、日光を遮る目的で基礎部分などに蟻道と呼ばれる土のトンネルを作ります。

戸建住宅を空き家にして放置してしまうと蟻道を見つけ除去することができず、構造材などが食い荒らされてしまいます。

 

 加えて、人が住んでいないと水を使うことがありませんので、トラップの封水が蒸発して乾いてしまいます。

 

封水とは下水の臭いが住宅に上がってくることを防ぐために排水管の一部分に水を貯めておく仕組みのことです。封水が切れてしまうと家の中に下水の臭いが蔓延し、壁紙などに残った臭いはしばらく取れません。

 

 上記の通り、空き家を適切に管理していくことは大変なことですので、維持管理の手間を無くすという理由だけでも売却するメリットのひとつになります。

 

空き家を売却するメリット②

固定資産税の納税が無くなる

 全ての住宅には固定資産税がかかり、空き家も例外ではありません。その空き家に対して毎年10万円の固定資産税がかかっているのならば、10年で100万円です。売却をすれば、

この固定資産税を無くすことができますのでお金の面で大きなメリットになります。

 

 また、平成27年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。

今までは、空き家でも土地の上に建物が建っていれば、居住用財産とみなされ、土地の固定資産税は6分の1に軽減されていました。

 

しかしながら、同法が施行されたことにより、空き家で建物の管理が不十分と行政が判断した場合は、この軽減措置が適用されなくなってしまいます。多額の税金を払ってまで保持する必要があるのか一度考えてみてください。

 

 上記の通り、空き家を保持するためには、維持管理の手間も税金などの経費もかかります。「将来的に建替えて住む予定がある」、「周辺で再開発の予定があったり、大型ショッピングセンターの建設計画があるなど値上がりが見込める」など空き家を保持していくことに明確な理由が見当たらない場合には、売却を検討してみてはいかがでしょうか。


放置すればリスク大 空き家でも欠かせぬ火災保険

 契約はしたものの、細かな内容はよく知らない――。

生命保険や損害保険の契約者の中には、こんな人も少なくないだろう。

 

だが、保険は契約条項ひとつで受けられる補償が大きく変わる上、新たなサービスも続々と登場している。

 

本コラムでは、生命保険と損害保険を交互に取り上げ、保険選びの上で知っておきたい知識を解説する。


◇  ◇  ◇
 親の死亡や施設入居などで空き家になった実家。その管理の手間やコスト負担に頭を悩ます人は少なくない。

自分の住まいを既に得ていたり、遠方に住んでいたりする子世代には、まさに重荷だ。

処分したくても買い手がないという状況もある。持て余し、結果として放置するケースも耳にする。

 だが、放置された空き家は時間がたつにつれて防災上・防犯上の危険が増す。

不審者が入り込み放火するかもしれないし、管理不備で傷んだ家は台風や地震などで被災しやすくもなる。

 

こうしたトラブルが一度発生すれば、建物の取り壊しや残存物の片付けが必要となり、数百万円レベルの費用負担を強いられることもあり得る。

 それだけではない。

 

空き家トラブルで他人を死傷させたり、ものに損害を与えたりして法律上の損害賠償責任を問われる可能性もある。

その賠償額は予測もつかない。

 好むと好まざるにかかわらず、空き家を所有する限り管理や費用負担は必須。

怠れば、子世代が自らの生活設計を犠牲にせざるを得ない事態も起こるのである。

 空き家がもたらす偶発的なトラブルへの経済的備えとして、火災保険は欠かせない。

「住まないから不要」ではなく、「住んでいないから増すリスク」にこそ、十分な対応が必要なのだ。

 実家が空き家になると、親が住んでいた頃にかけていた住宅向け火災保険は継続できず、事務所や店舗向けの事業物件用の火災保険に入り直すことになる。補償内容は、火災をはじめ風・水害やその他偶然の事故について、ほぼ住宅同様にカバーが可能だ。

 

ただし、事業物件扱いとなるため地震保険はかけられない。空き家では地震被害に対する補償手段がないことは知っておきたい。

 加えて、空き家が原因で生じた他人への損害賠償に備えるため、施設賠償責任保険の契約も必要だ。

 補償内容をほぼ同条件とした場合の、使用中の住宅と空き家との年間保険料を比較してみると、賠償責任保険を含めた年間保険料は、空き家の方が約1万2000円高い。

住まない家の方が、維持コストは高くなるわけだ。


 国内の空き家総数は現在約820万戸。団塊世代の高齢化に伴い今後さらに増加するとみられており、実家の取り扱いに悩む子世代も一段と増えることだろう。

 住宅の所有には、言うまでもなく相応のコストが必要とされる。

住宅の取得理由の多くは「家族のため」。

 

だが、時間の経過に伴い家族の形態は変わっていく。今だけではなく、自らが高齢者になり、そしてこの世からいなくなった時のことも考え、子世代に“負の資産”を残さない住まい方を考えるべき時代が来ている。


空き家の過半数が「相続した」住宅

住宅を取得した経緯 ・住宅を取得した経緯については、「相続した」が 52.3%と最も多く、次いで「新築した・新 築を購入した」が 23.4%、「中古住宅を購入した」が 16.8%の順になっており、それを利用状 況別にみると、その他の住宅では「相続した」の割合が比較的大きく、56.4%となっている。

 

また、建築時期別にみると、その他の住宅では建築時期が古いものほど「相続した」の割 合が総じて大きくなっており、「昭和 25 年以前」は 78.7%となっている。

 

 

 


空き家問題の現状

 日本全国で空き家が増加しています。

平成25年に総務省が実施した住宅・土地統計調査の結果を基に国土交通省がまとめたデータによれば、日本の総世帯数約5,240戸に対して、住宅のストック数は約6,060万戸であるため、住宅は既に量としては足りており、余剰分が空き家になっているのが現状です。

 

新築のマンションや戸建は継続して建設されている中、日本の人口増加は落ち着いていますので、空き家の数は年々増加している傾向にあり、前述の統計データにおいても、ここ20年間で空き家の数は倍増しております。

 

 都道府県別では、山梨県や長野県、高知県などが空き家率が高い都道府県であり、国民が利便性を求めて都心部に流入していっている傾向であることが読み取れます。

 

 なぜ空き家が問題化されるのか。空き家は大きく「目的のある空き家かそうでないか」の2つに区分されます。目的のある空き家とは、収益目的に賃貸や売却を予定していたり、別荘地にある空き家を指します。

 

継続して賃貸募集をしていたり、別荘地にある空き家は、人の目が届いている状態のため、しっかりと管理されています。空き家が問題化される理由は、目的の無い空き家が増加しているためです。

 

転勤や入院、死亡による相続などが原因で元の入居者が退去した後に用途が定まらず、入居者不在のまま放置されている住宅が徐々に増えてきています。目的の無い空き家は、所有者の目が届きにくく、管理が不十分になっている家も多くあります。

 

 管理が不十分な状態が続くと様々な弊害が生じてきます。

 一番は防災性・防犯性の低下です。老朽化した住宅はしっかり管理が為されていなければ、倒壊や火災発生の危険性が高まります。また、空き家であることが明白であり、目が届かない状態であると隠れ家になったりと犯罪の温床になってしまいます。

 

 次に懸念されるのは、ごみの不法投棄や雑草や枝葉の繁茂の問題です。悪臭を放つごみが放置されたり、枝葉が越境するなど近隣の住民に迷惑を及ぼす可能性です。目的の無い空き家は近隣住民も管理者が分からず、なかなか解決しない問題になります。

 

 現在は、日本の総人口が減少傾向になっている一方、新築のマンションや戸建は継続して供給されていることから、今後も空き家が増加する傾向であることは明白です。この問題を解決するため、平成27年2月に空き家対策特別措置法が施行されました。

 

倒壊の危険があるなど管理不十分な空き家と行政が判断した場合には今まで適用されていた固定資産税の軽減措置を適用外にできるようになったり、非居住用の住宅(空き家)を売却する場合に一定の条件を満たせば譲渡所得税が軽減される特例などが定められました。

 

主な趣旨は、管理不十分な空き家に対しての危機意識を芽生えさせることと目的の無い空き家になる前に売却を促進することです。

 

 今後も目的の無い空き家は増加していく傾向にあるため、規制も強化される方向に向いていくことが想定されます。目的の無い空き家を既に保有されている方や相続等で近々保有する予定のある方は、賃貸などで運用するのか、売却してしまうのかなど利用方法を早めに検討をしておいた方が良いでしょう。