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実家の空き家問題「三重苦」 住めない、貸せない、売れない

 年々深刻になる地方の「空き家」問題。だが、最近はすでに田舎から都市部近郊に超してきた世帯の空き家が増え続けているという。

 

「両親もまだ元気だからウチは関係ない」では済まされない。いざ実家が空き家になって放っておけば大変なことになるのだ。オラガ総研代表取締役の牧野知弘氏が警告する。

 

 空き家といえば、多くの人が思い浮かべるのが、すでにぼろぼろになって誰も住むことができないような「あばら家」かもしれない。確かに現在社会問題としても盛んに取り上げられている空き家問題を語る場合、こうした「あばら家」を対象とするケースがほとんどだ。

 

 しかし実際には空き家のほとんどは「あばら家」ではない。親が亡くなる、あるいは高齢者施設等に入居し、家に戻るあてもないままに「とりあえず」空き家となっているものが実は大多数を占めているのが現実だ。

 

 これまでの空き家問題はどちらかといえば地方から大都市に出てきた人たちが、親の亡くなった後の実家の取り扱いに悩むというのがテーマだった。しかし、地方は近所のてまえもあるので、とりあえずそのままにして、ときたま戻って管理する程度、税金もそれほどの負担ではないのでそのまま放置するというのが典型だった。

 

 ところがこれからは、地方から大都市に出てきた人たちが買い求めた大都市圏近郊のマイホームで育った団塊ジュニアたちが、実家の扱いで悩む時代になる。団塊世代も2023年以降は後期高齢者に突入する。これからは大都市圏郊外が大量相続の舞台となる。

 

 団塊ジュニアの多くは都心のマンション居住。夫婦共働きで子供を保育所などに預けて

通勤するスタイルが主流である。そんな彼らにとって親が買い求めた大都市圏郊外の実家

に住む予定はない。夫婦共働きで都心まで長時間の通勤を強いられることには耐えられないからだ。

 

 彼らの親たちが買い求めた郊外の家の多くはいわゆるニュータウンと言われる丘陵などを切り崩した住宅地が多い。敷地面積も狭く、家と家の間隔は狭い。空き家にして数か月も経過するとあっという間に隣近所からクレームが来る。植栽が伸び放題になって、隣地に跨るためだ。数か月に一度草木の剪定を行う必要が出てくる。

 

ニュータウンの多くがもともとは人が住んでいない丘陵地などであるので、人が住まなくなれば野生動物などが戻ってくる。タヌキやイノシシ、ハクビジンなどの野生動物が居つく、庭に糞をするなどでこれも近隣からのクレームの対象となる。

 

 最近は空き家に対する放火と思われる火災で隣家に類焼した責任を家主が負担する判決事例も出た。損害保険への加入は必須だ。

 

 固定資産税も地方であれば年間数万円程度で済むはずが、首都圏郊外ともなれば年間で15万円から20万円はかかる。家の維持が面倒だからといって建物を解体更地化してしまうと、住宅にのみ特別に認められた固定資産税評価額の減免措置がなくなり、土地に関する固定資産税は敷地面積が200平方メートル以下の場合には6倍に跳ね上がってしまう。

 

 家は住まないと傷みが早いといわれる。とりわけ木造家屋は湿気などがこもりカビが発生する。外壁塗装や屋根の葺き替えを定期的に実行していないと雨漏り等の原因となる。こうした修繕維持コストもそれなりにかかってくる。

 

 これだけいろいろな面倒やコストがかかるのだから、賃貸に出すあるいは売ればよいという結論になってもそう簡単ではない。

 

 ところが、特にニュータウンあらためオールドタウンになると、借り手を見つけるのは至難の業だ。

 

 親たちは自分で買ったマイホームからせっせと会社に通勤してくれたが、そもそも借りてまで住みたいという奇特な人にはお目にかかる可能性は低い。夫婦共働きの自分が住むつもりもない家を、自分たちと同世代以下の人たちが喜んで買うと考えるのは、頭の中がいささかお花畑だ。

 

 こうした状況の悪化を見越して先手を打つことはできるのだろうか。残念ながらあまり妙案はない。少なくともいざ相続が発生した時になるべく早く「貸す」なり「売る」の行動に移れるように準備しておくことである。

 

 つまり家財道具などは親に頼んでなるべく処分しておいてもらうことだ。隣家との境界や権利関係などでもめ事がある場合には今のうちに解決しておくことも肝要だ。

 

 またこんなことはまだ元気でいる親に言うべきことではないのかもしれないが、実家の相続は相続人を1人にしてもらうことだ。「家は財産だから兄弟仲良く均等に」などと考えてもらっては困る。

 

 私の知り合いは、東京の郊外にある実家を相続したが、相続人は兄弟姉妹4人。売ろうといえば妹が「お父さんの大事な思い出が詰まった家を売るなんて許せない」といわれ、固定資産税を払う際の分担については姉が拒否をする。姉は家の庭の草むしりにも一切協力せず「早く売ればいいじゃん」と主張するだけ。海外赴任の兄はもともと実家には無関心という板挟みに悩んでいるという。

 

「売れない」「貸せない」「自分も住む予定がない」という三重苦の詰まった「負動産」に苦しむ時代はもうすぐそこに迫っている。

 

 実家で迎えることが多い年末年始。家の問題は家族の問題。お屠蘇を飲む前の話題としては多少不謹慎ではあるが、家族で真剣に話し合われてみてはいかがだろう。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171229-00000006-pseven-bus_all

 


世界一の高級マンション裏にホームレス施設  住民「まさか近所に…」

【ニューヨーク=上塚真由】米ニューヨーク市で路上生活者(ホームレス)が増え続け、その対策をめぐり議論が起きている。

 

ホームレスの支援に力を入れるデブラシオ市長は5年間で計90のシェルター(保護施設)を増やすことなどを発表。

こうした中、マンハッタンの最高級高層マンションの裏側にもシェルターができることになり、住民の困惑は広がっている。

 

 マンハッタンのセントラルパークからも近い58丁目にある「パークサボイホテル」。

デブラシオ氏は16日、このホテルを、来月にもホームレスの単身男性用のシェルターと

して新たに利用すると発表した。

 

 マンハッタン中心部での計画には、衝撃が広がった。同ホテルの裏側には、75階建ての高層ビル「ワン57」がそびえ立つためだ。高級ホテル「パークハイアット」が入るほか、居住フロアがあり、最上階のペントハウスは建設当時には1億ドル(約120億円)以上で売買されたとされ、「世界で最も高価なマンション」とうたわれた。

 

 地元住民らは「ホームレスの支援には賛成だが、まさか近所に来るとは…」と困惑顔。

数軒先の高級アパートに住む60代の女性は「まったくばかげている。この辺りは『億万

長者通り』といわれているのに、なぜここを選んだのか。市長は富裕層が嫌いなのだろう」と怒りをあらわにした。

 

 他にも、シェルターの計画が発表されたブルックリンの地域では、反対運動が活発化している。

 

米紙ニューヨーク・タイムズによると、市のホームレス人口は昨年2月の調査で、シェルターでの生活者を含めて約7万7000人。デブラシオ市長が着任した2014年1月時点は約6万8000人で、3年間で1万人近く増えた計算になる。

 

 増加の背景には、不動産賃料の高騰と家計収入の低迷があり、働いても家賃を払えない人が増えていることも原因だ。市によると、シェルターの入居者の約7割が家族世帯といい、子供のホームレスが多いことも問題視されている。

 

 住居の確保は喫緊の課題で、市はシェルター代わりに民間ホテルの部屋を借り上げているが、昨年の調査では、約7500人のホームレスが利用するホテル代の総額が1日で約57万5000ドル(約6400万円)に上ることが判明。負担額の大きさに住民からの反発が強まった。

 

 また昨年、ホームレスが宿泊する57のホテルのうち、34のホテルで売春や違法薬物の取引などの犯罪行為が発生。治安の悪化も指摘されており、デブラシオ氏は2023年までに民間ホテルの利用をやめることも打ち出している。

 

引用:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180126/mcb1801260613023-n2.htm

 


マンションを襲う“二つの老い”とは

老朽化するマンションや団地。近年、居住者の

高齢化が進み、経済力が低下したり亡くなったりして、多額の費用がかかる修繕ができなくなっている。

 

居住者が亡くなった後の所有者がわからぬまま放置されるケースもあり、戸建てで社会問題化した「空き家問題」も起こりかねない。

 

さらに今年は、民泊に関する新たな法律が施行

され、マンション居住者に影響する可能性も出てきた。こうした課題と解決法を、マンションのトラブルに詳しい弁護士の奥山光幸氏に解説してもらう。

 

◆建物の老朽化が進行

 国土交通省の調査によると、マンションの戸数は、2016年末現在で約633.5万戸。

鉄筋コンクリート造りのマンションの寿命は50~60年と言われていますが、築40年を超えるものが約63万戸と全体の約1割あり、10年後には約3倍の約173万戸、20年後には約5倍の約334万戸と、加速度的に老朽化が進むことが予想されています。

 

 ところが、このような古いマンションでは、高齢化した居住者の定年退職による収入減、長期入院などによって、管理費・修繕積立金が長期滞納されるケースが増えています。国交省の調査(13年度)によれば、3か月以上の管理費などの滞納者がいるマンションは全体の37%にも及びます。

 

 こうした場合、管理組合が法令に従って滞納者に対応するには、区分所有法59条に基づき競売を請求することとなります。しかし、この方法は、「滞納により居住者の共同生活に

著しい障害を及ぼし、かつ、競売以外の方法によってはその障害を取り除くことが困難で

ある」という厳しい要件の立証が必要であるため、難易度が高く、容易ではありません。

 

 そのため、管理費などの滞納は結果的に放置されているケースも少なくないようです。

 

 さらに、40年以上前に建てられたマンションでは、建設当時には想定していなかった権利関係などの問題に対する備えが十分でないところもあり、「管理規約がない」「管理組合が機能していない」といった問題や「役員のなり手がいない」といった例も散見されます。

 

 このような現状がどのような問題を生んでいるか、代表的な例を見てみましょう。

 

 

◆廃虚化する機械式駐車場

 マンションの住戸部分よりも早く老朽化が進み、危険が伴うものとして、機械式駐車場の問題があります。

 

 国交省の調査(13年度)によれば、東京圏では37%、京阪神圏では43%のマンションに機械式駐車場が設置されています。

 

マンションを購入する際に意識されることは少ないかもしれませんが、共用部分ですので、駐車場の利用の有無にかかわらず住民には負担が生じることに注意が必要です。

 

 機械式駐車場の維持と修繕には高いコストがかかります。使用頻度やメンテナンスの状況にもよりますが、耐用年数として、一般的には20年程度が機械を総入れ替えする目安とされています。1台駐車分あたり100万円程度かかりますので、たとえば50台分とすると単純計算でも5000万円となり、マンション本体の修繕費に匹敵する額となります。

 

 長期間入れ替えなしで対応しようとしても、次第に修繕するための部品調達が難しくなり、点検費や整備費が割高になります。

 

 駐車場による収入が十分であればそれで賄えますが、高齢になった居住者の経済力は先細りしていきます。そうなると維持費や修繕費が支払えない、解体費用も捻出できないという問題に直面します。

 

 住民同士が総会で話し合ってどのようにするかを決められればよいのですが、居住者の

死亡によって生じる「マンションの空き家問題」がそれを難しくしてしまいます。

 

◆マンションの“空き家問題”

 国交省の調査(13年度)によると、マンションの空き家率(3か月以上空室となっている戸数の割合)は、全体の2.4%を占めています。このうち、2010年以降完成のマンションだけで見ると、空き家率は1.3%に過ぎませんが、1969年以前のものは8.2%と高まり、老朽化に比例して空き家率が上昇していることがうかがえます。

 

 これは、人口減少と核家族化の進行により、親世代が残した空き家を子が引き継いでも

住まない、それでいて価値が低く売却や賃貸にも出せないので放置してある、といった理由から起きています。

 

 所有者の死亡後に相続人がいるかどうかが不明となるケースもあります。所有者が死亡した場合、相続した者が相続登記の手続きを行うのですが、法的義務がないため、登記記録が更新されないことも多いのです。

 

 こうなると空き家の権利が誰にあるのかわからず、他の居住者たちが総会を開きたくても連絡ができないという問題が生じます。また、空き家が増えれば、管理費と修繕積立金の減少につながり、機械式駐車場だけでなく、マンション全体の修繕ができなくなる可能性もあります。取り壊す費用も捻出できず、巨大な建造物が危険な状態で放置されるリスクが高いので、戸建ての空き家問題よりも深刻といえます。

 

 マンションの空き家は現在目立って問題視はされていませんが、今後は顕在化してくると思われます。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180121-00010000-yomonline-life&p=1

 


「物納」もできない(連載4)

そしてその相続人もやがて介護される側に回るときが来る。自らの介護費用に加え、相続税の赤字で貯金を大きくすり減らせば、団塊ジュニアの子供世代に残るのは

それこそ「負動産」のみ。

こうして過去の負債を一族が引き継ぎ続けることになるのだ。

 

「物納」は不動産を売却せず、そのまま国に財産として納付する方法だが、実は物納はかなりハードルが高い。

というのも、隣地と境界線があいまいな土地や、実測面積が登記簿面積と一致していない

土地は物納が認められない。

 

そのため周辺住民との権利関係の調整や測量、正確な登記をきちんと済ませておく必要が

あるが、これらにかかる費用はすべて相続人の持ち出しだ。

 

もし「負動産」を処分できる財力が相続の際にあっても、相続人が複数いる場合は、

「相続」が「争族」化してしまうことが懸念される。

 

「不動産の相続で損をするケースが増えていくなかで、不要な資産の『押しつけ合い』が

家族間で多発することになるでしょう。『貯金はいるけど家はいらない』と誰かが言い出したら最後、相続争いはこれまで以上に泥沼化するのです」(税理士法人タックス・アイズ

代表の五十嵐明彦氏)

 

本連載の第3回では所有者が不明になってしまった「死有地問題」を取り上げたが、相続

放棄や押しつけ合いが続けば、行政も家族も手をつけることができない不動産が増加して

いくことになる。

 

一度「負動産」のスパイラルに巻き込まれれば取り返しのつかないことになる。絶望する

間もないうちに、私たちの家計を脅かすさまざまな問題が一挙にのしかかってくる。

それが2028年に待ち受ける現実なのだ。

 

連載1~4:「週刊現代」2017年11月4日号より

 

参考記事:

子供が親にしてもらいたい「家」の後始末5つ

片付かない実家・・・こうすればいい

 

 引用:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53323?page=4

 


マンションはもっと深刻(連載3)

一般的な一軒家の物件でも、固定資産税は20万円近くかかる。今後住むこともない

物件の売り時は「いま」なのかもしれない。だがしかし、すでに買い手は徐々に

見つかりにくくなっている。

 

この空き家問題は一軒家特有のものでは

なく、分譲マンションでも同様の事態が

起こっている。

 

富士通総研主席研究員の米山秀隆氏は次のように指摘する。

 

「所有者が不明になった空き部屋は、次の買い手が見つかるまで管理費や修繕積立金が

マンション側に入らなくなってしまいます。そうするとますます管理の状態は悪くなり

ますし、建て替えなどの総会決議にも支障が出る。

 

結果的にマンション全体の劣化のスピードが速まり、価格は下がり、物件を手放す人は

いっそう増えるという負のスパイラルに陥るのです」

 

すでにマンションの「負動産」化は各地で顕出していて、居住者がいない住居を管理組合

がいったん引き取って赤字覚悟で売却し、管理費や修繕積立金を確保する例も出はじめて

いる。

 

高度経済成長期に建てられ、築50年が経過しても修繕がままならず老朽化の一途をたどる「限界マンション」に都市部でも時折出くわすようになったが、これも空き家と同様に

加速度的に今後増えていくことになる。

 

都心部にアクセスのいい不動産を持っている人間には関係のない話だ、と高をくくって

いる人も多いかもしれない。だがそれは誤りだ。

 

「すでに東京や大阪のベッドタウン、都心部に1時間で通勤可能な神奈川のニュータウン

周辺でも、高齢化が進み、『空き家予備軍』となっています。2030年にさしかかるころ

までに、これら団塊の世代に人気が高かった地区がまとめて『負動産』と化す可能性も

あるのです」(前出・長嶋氏)

 

野村総研の試算によると、2028年には全住宅6899万戸のうち、25%超にのぼる1772万戸が空き家になるという。またシンガポール国立大学が'15年に発表した研究によれば、日本

の住宅価格は2010年から2040年までの30年間で46%下落すると試算される。

 

つまり、我々がいま持っている不動産は、「大相続時代」には4分の1が空き家と化し、

それを過ぎたころには住宅価格が半額になっているのだ。我々が今日信じている不動産の

価値は、ほとんど無意味になってしまうと考えておくべきだろう。

 

重すぎる相続税に苦しむ家族は、「相続破産」を避けるために「相続放棄」もしくは

「物納」をすることになる。

 

もし相続放棄を申請した場合、不動産だけでなく現金や保険金など、あらゆる資産の相続

を諦めなければならない。そのためこれまでは、莫大な借金を親が抱えているなどの事情

がない限り、相続放棄を行うことはなかった。

 

だが事情は変わっているかもしれない。ひとつの要因として、2028年には「老老介護」

がより深刻化していることが考えられるからだ。

 

生命保険文化センターによる'15年度の調査から試算すると、1人にかかる介護費用は平均547万円にのぼる。

 

介護費用が家計に響き、親の貯金だけでなく子供世代が資産を持ち出している世帯も多い

だろう。それでも、親から相続した家を売れば「行って来い」で取り戻せると思いがちだ。

 

ところが、そう期待していたにもかかわらず、「負動産」を相続することになったらどう

だろうか。相続人でありながら高齢者となると、新しい収入源を作って損失分を補填する

ことがほぼ不可能だ。そうすると相続放棄も、選択肢の一つとしていま以上に現実味を

帯びてくる。

 

引用:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53323?page=3

 


恐怖の「負動産」スパイラル(連載2)

住宅価格の下落とともに、団塊の世代が住んでいた大量の住宅が、彼らの死によって無用の長物と化す。

数万人規模で人口が減少した地域のインフラは劣化し、産業も衰退する。
やがて若者は棲みつかなくなり、デベロッパーも再開発に消極的になる。
こうして、不動産価格は輪をかけて下がっていくのだ。

相続する家の価格は、その土地の路線価を基準に査定される。現在、都市部の不動産価格はわずかに上昇傾向にあるが、市場がひとたび失速して物件の売値が下がれば、相続税査定の評価額と売値とのあいだで差が大きく出て、赤字の相続になるケースが増える。

不動産を売らずにそのままにしておけば、相続税に加えて毎年の固定資産税や維持費が重くのしかかってくる。住んでいるわけではないにもかかわらず、である。すなわち、相続するだけで損をする「負動産」が、団塊の世代の高齢化をターニングポイントとして急増していくのだ。

団塊の世代から相続を受けることになる団塊ジュニアは、すでに都市部に住宅を所有
していることが多い。両親の家が居住地から離れたところにあれば、その管理まで
なかなか手が回らないだろう。

建物は放っておけばすぐに劣化し、人に貸すことも売ることもできなくなってしまう。
したがって相続人は「すぐに売るか、取り壊して更地にするか」の二択を迫られること
になる。

もちろん上物を取り壊すことなく即座に買い手がつけばいいが、築数十年を過ぎている
であろう団塊世代の住宅では、そううまくいくとは限らない。とはいえ、家を解体する
にも150万~300万円といった高額な費用の負担が必要だ。

ウチにはそんな余裕はないから、相続の際はもう見て見ぬふりをするしかない――。

親子世代の経済事情も相まって、一族から見捨てられた空き家が日本全国にじわじわと
増殖することになる。

この事態を重く見た政府は'15年から「空き家対策特別措置法」を施行し、固定資産税を見直した。住宅が建てられている土地は、固定資産税の評価上は更地の6分の1となるのが通例だが、改正後、自治体から「特定空家」と認定された土地に関しては、更地と同様の課税となる。

つまり、空き家を放置してしまうと、住宅扱いだったころの6倍もの課税が土地にされるようになったのだ。

引用:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53323?page=2


まもなく、絶望の「大相続税時代」がやってくる(連載1)

約800万人がこの国から姿を消す――。

人口が減少し、空き家が増加するなかでなお過剰に

作られる住宅。ほとんど価値のなくなった団塊の世代の持ち家は、相続で一気に「負動産」と化していく。

 

マイホームという夢の終わり

2028年ごろ、団塊の世代は80歳前後となり、その子供世代となる「団塊ジュニア」は50代半ばから後半、切実に老後の生活を考えなければならない時期に差しかかる。

 

生活していくのに十分な年金がもらえるのか、老後の医療費や介護保険はしっかり支払われるのか。

 

社会保障だけでなく、日本経済の先行き自体も不透明で、定年まで会社にいられるかもわからない――そのような世代に追い打ちをかけるように訪れるのが「相続」に関する問題だ。

 

「内閣府による平成25年版『高齢社会白書』によれば、団塊の世代の持ち家率は86.2%と

非常に高い。1947年から1949年までの3年間の出生数が806万人であることを考えると、

これから日本は数百万世帯の規模で子が親の資産を継ぐ『大相続時代』に突入するのです」(財営コンサルティング代表の山崎隆氏)

 

現金や保険・証券に加えて、宝石や自動車といった高額な品物など、相続の対象は多岐に

わたるが、これまで我々は、親に借金でもない限り、相続すれば基本的にプラスになるとの思いで資産を親族から受け継いできた。

 

日本の場合、ほとんどの相続でもっとも高額なのが「不動産」である。

 

高度経済成長期からバブルまでを経験した団塊の世代は、みな「住宅すごろく」をそれぞれに歩んできた。単身のアパートからスタートし、庭付き一戸建てを手に入れることがひとつの「あがり」だった。

 

念願のマイホームから子供たちが巣立っていくのを見送り、妻と老後を過ごす。やがて結婚した子供たちが舞い戻り、自分の面倒を見てくれることを心のどこかで期待する。

 

安定した生活を享受するために、なかば「右にならえ」で手にした団塊の世代の夢も、いまとなってはもはや幻想にすぎなくなってしまった。

 

というのも、2028年には、相続をすることによって団塊ジュニアが資産を手に入れるどころか、むしろ大きな出費を迫られることが当たり前になるからだ。その最大の原因が、ほかならぬ不動産価格の下落にある。

 

「青山や麻布といった都心の超一等地や大都市の一部を除き、今後不動産価格は全国的に

下落していきます。人口は'08年をピークに減少し続けているにもかかわらず、それを超える住宅が今後も供給され続ける、というミスマッチが不動産業界で起こっていることが一因

です。

 

住宅の供給過剰が進むと、価格の下落だけでなく空き家物件の増加にもつながることになります」(不動産コンサルタント・さくら事務所会長の長嶋修氏)

 

引用:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53323

 


荒れ放題のまま…解決しない空き家問題 背景に「法と税」の事情

ネズミ算式に増える相続人

 

 街中で、荒れ放題の空き家を見かけることがある。空き家となっている理由はさまざまだが、なかには、所有者が不明であるために、空き家の状態が続いているものもある。

 

不動産の所有者は、法務局にある不動産

登記簿で確認ができる。しかし、登記簿上の所有者が死亡しているなどして、現在の所有者が不明になっている不動産も多いのだ。

 

 なぜ登記簿に現在の所有者の名前が載っていないのか。『人口減少時代の土地問題』の

著者、東京財団研究員の吉原祥子氏はこう解説する。

 

 「日本では不動産の権利の登記は任意です。登記には手間やお金がかかるので、不動産を相続や売買で取得した人が登記の必要性を感じず手続きをしなければ、登記簿上は前の所有者のままとなり、実態とズレが生じてしまう。相続の場合は代が進むとさらにズレが広がり、誰が現在の所有者なのかすぐにはわからなくなります」

 

 相続では“法定相続人”がネズミ算式に増えるので、解決はますます困難になるのだ。

 

 権利の登記が任意なのは、日本の不動産登記制度がフランス法の考え方を取り入れているからだ。

 

 「フランス法では、第三者に『ここは自分の土地』と権利を主張するためには登記を必要とする、という考え方をとっています。ドイツ法のように登記しないと権利の変動そのものが成立しないという考え方もありますが、日本では採用されていません」

 

 所有者把握の仕組みに課題

 

 ところで、不動産には固定資産税がかかるはず。登記制度とは別に、行政は現在の所有者を把握しているはずだが、残念ながら所有者情報の把握の仕組みには課題が多い。

 

 市区町村は法務局の登記情報に基づいて固定資産税を課税している。戦前は税(地租)を徴収する税務署が土地台帳で所有者情報を管理していたが、戦後は土地台帳が登記簿に一元化された。そのため相続登記が行われない不動産については、自治体の税務担当者が相続人調査を行って現在の所有者を特定し、課税をしなければならない。

 

 「しかし、相続登記が長年放置される不動産は免税点(課税対象にならない資産額。土地は30万円、建物は20万円)未満のものも多い。課税対象にならなければ自治体が人員を割いて調査するインセンティブが働かない。事実上、後回しです」

 

 この問題を解決するために、政府も腰を上げた。法務省は、「登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会」を発足。法改正を視野に入れた議論をスタートさせる。これで問題は解決されるだろうか。

 

 「民法や不動産登記法を見直すとなれば、議論に長い時間がかかるでしょう。この問題に、万能薬や特効薬はありません。同時に登記の手間やコストを下げたり、所有者不明の

土地の受け皿を整えるなど、さまざまな対策を積み重ねていくことが大切です」

 

 (ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=東京財団研究員 吉原祥子 図版作成=大橋昭一)(PRESIDENT Online)

 

 

引用:https://www.sankeibiz.jp/econome/news/180114/ecc1801141309002-n3.htm

 


所有者不明の土地問題、解決に必要な法制度はこれだ!

政府が空き家対策に本腰 

登記義務づけや所有権放棄も検討

 

 政府は、所有者不明の土地や、空き家

問題の抜本的な対策に乗り出す方針を

打ち出した。相続登記がなされていない

などの理由で、所有者が不明になっている土地について、登記を義務づける法律の

制定を検討、土地所有権の放棄の可否なども検討される模様だ。これは是非、推進してもらいたい。

 

 増田寛也元総務相ら、民間有識者で作る研究会が試算したところでは、持ち主をすぐに

特定できない土地が、2016年時点ですでに410万ヘクタールに上っていた模様だ。

試算によれば、今後も所有者不明の土地は増え続け、40年には約720万ヘクタールに達すると予想されている。これは北海道の面積の9割に相当する規模だ。

 

背景には、高度成長期に都会に出てきた「金の卵」たちが、親が他界したときに、田舎の

土地を相続する意思がなく、あるいは相続はしても登記する必要性を感じずに放置しているケースが多いことがある。加えて、人口減少と過密過疎によって、田舎の土地の価値が

下がり、「登記費用を払ってまで所有権を登記する価値のない土地」が増えていることも

影響していそうだ。

 

 こうした影響は、今後、一層深刻化していく可能性が高い。しかも、相続人が存命中は

いいが、孫やひ孫が相続する時代がくると、誰が所有者なのかも不明な土地が激増していくことになりかねない。

 

 所有者にしてみれば、「所有権」は「権利」であって「義務」ではないから、登記しないのは勝手だ、と考えているだろうし、現在の法律では所有者に登記の義務はないのだが、

それが他人の迷惑になるようでは問題だ。

 

 具体的には、所有者が不明な不動産が公共事業などの妨げになる例は少なくない他、治安上の問題や倒壊リスクなどの問題が放置されているケースもあるようだ。

 

登記の義務化により、…

 

この続きは(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)

 

引用:https://news.biglobe.ne.jp/economy/0112/dol_180112_3962077139.html

 


都市農家を待ち受ける固定資産税激増の未来

地主系お金持ちも3代続けば行政から

むしり取られる

 

埼玉県南部で農家を営む家に婿入りした

Aさん。自身はずっと会社勤めでしたが、10年ほど前、定年より少し早く退職し、

家業を継ぐことにしました。

 

サラリーマンから農家への転身に周りは

心配しましたが、本人はいたって前向き

です。

 

「農業は初めてですが、サラリーマン時代から、休みの日には家を手伝いながら義父の

様子を見ていたので、さほど戸惑いはなかったですね。会社勤めとは違って、屋外で体を

動かすのはむしろ性に合っていて、楽しんでいますよ」

 

 そんなAさんにも1つ気がかりがあります。義父が農業を営んでいる農地の多くが「生産

緑地」の指定を受けており、2022年に期限切れを迎えるのです。

 

義父はまだ農業を続けたいようですが、将来を考えると、一部を宅地にして賃貸マンションを建てるといった選択も考えられます。しかし、そうすると固定資産税が100倍以上にアップすると聞いてAさんはびっくり。

 

また、義父は祖父から農地を相続した際、相続税の納税猶予を受けており、もし宅地に

転用したら利子税を含めて猶予されていた相続税を払わなければならないかもしれません。

Aさんには長男と長女がいますが、おそらく将来、農業を継ぐことはないでしょう。先々のことを考えても、一家にとって大きな決断の時期を迎えているとAさんは感じています。

 

大幅に税金が安く抑えられていた都市の農地

 

私は、相続に関する皆さまの相談に乗ることを仕事にしていますが、こうしたAさんのような相談を受けるケースが最近、増えています。拙著『500㎡以上の広い土地を引き継ぐ人のための得する相続』でも解説しているのですが、都市農家のみなさんにとって、「生産緑地」は避けて通れない重要な問題になっています。なぜなら、3大都市圏の特定市の農地について、固定資産税と相続税が大幅に軽くなる「生産緑地」制度が2022年以降、順次期限

切れを迎えるからです。 

 

「生産緑地」とは首都圏、中部圏、近畿圏の3大都市圏の特定市にある市街化区域において、農業を続けることを条件に固定資産税や相続税が大幅に安く抑えられている農地です。

 

市区町村が毎年課税する固定資産税について、3大都市圏の市街化区域農地は本来、周辺の宅地並みに評価されるため、税額が10アール(1000平方メートル)あたり数十万円になることも珍しくありません。 

 

しかし、生産緑地に指定されると農地としての評価になるため、固定資産税は10アール

当たり数千円レベルで済みます。

 

また、固定資産税のベースとなる評価額は3年に1度見直され、地価が上昇すれば評価額も

上がります。しかし、生産緑地については、評価額の見直しによる税額の上昇幅についても低く抑えられています。 

 

とはいえ、農地の相続税の納税猶予制度には厳しい要件があります。特に、3大都市圏の

特定市にある「生産緑地」の場合、相続人が一生農業を続けなければなりません。途中で

農業をやめると、それまで猶予されていた相続税に加え、猶予されていた期間に応じた

利子税の支払いが発生します。

 

都市の農地が一斉にアパートやマンションへ 

 

生産緑地は基本的に、都市部の農地を守ることを目的としています。そのため、勝手に

建物を建てたり、農地以外に転用したりできない一方、固定資産税や相続税が軽減されて

います。しかし、生産緑地の指定から30年が経過した、などの要件を満たした場合、

所有者は市区町村に対し生産緑地の買い取りを申し出ることができます。 

 

多くの場合、生産緑地としての制限が解除された後、都市計画の変更手続きが行われ、

自由に宅地化できる農地(「宅地化農地」)として、建物を建てたり、宅地として売却

したりすることになります。 

 

2022年以降、多くの生産緑地の指定が期限切れを迎え、都市農家が一斉に地元の自治体に

買い取りの申し出を行い、多くが宅地として不動産市場で売り出されたり、新築アパート

などが建てられたりするのではないかと危惧されています。これが「生産緑地の2022年

問題」です。 

 

それでは今後、生産緑地の指定から30年を迎える農地を所有する都市農家のみなさんは、

どうしたらよいでしょうか。 

 

基本的に、相続税の納税猶予制度を利用しているかどうかで判断は大きく分かれると

思います。

 

相続税の納税猶予制度を「利用していない」のであれば、生産緑地の買い取り申し出を

行うというのが有力な選択肢です。

 

買い取りの申し出をすれば、生産緑地の指定がはずれ、農業を続ける義務はありません。

いまはまだ元気で農業を続けられるとしても、いずれ健康を害するようなことがあれば

難しくなるでしょう。また、後継者がいなければ、やはり農地として維持することは無理

です。いつまでも現状維持を続けるより、指定から30年を1つの区切りにするほうがいい

と思います。 

 

固定資産税の負担は跳ね上がりますが、それは周辺の宅地と同じレベルです。

むしろ、アパートや賃貸マンションを建てたり、あるいは宅地として売却したりするなど、いろいろな手を打つことができます。 

 

相続税の納税猶予制度を「利用している」なら、基本的に生産緑地のまま農業を続けると

いう判断になるでしょう。相続からの年数が長くなればなるほど、納税猶予の打ち切りに

よる利子税が多額になるからです。 

 

そして、次の相続が発生し、猶予されていた相続税が免除された段階で、農業をさらに

続けるかどうかを検討することになります。

 

 農業を続ける場合、単に農作物を育てるだけでなく、併設したショップで農作物を加工して販売するとか、併設したレストランで農作物を使った料理を提供するとか、なんらかの付加価値を付けることを考えるべきです。

 

 いずれにしろ、現状維持で先送りしているだけでは、いずれ大きな問題に直面します。

早めの決断が重要です。 

 

引用:http://toyokeizai.net/articles/-/196505

 


"荒れ放題の空き家"がそのままになる理由

 街中で、荒れ放題の空き家を見かけることがある。空き家となっている理由はさまざまだが、なかには、所有者が不明であるために、空き家の状態が続いているものもある。

 

 不動産の所有者は、法務局にある不動産登記簿で確認ができる。しかし、登記簿上の所有者が死亡しているなどして、現在の所有者が不明になっている不動産も多いのだ。

 

 なぜ登記簿に現在の所有者の名前が載っていないのか。『人口減少時代の土地問題』の著者、東京財団研究員の吉原祥子氏はこう解説する。

 

 「日本では不動産の権利の登記は任意です。登記には手間やお金がかかるので、不動産を相続や売買で取得した人が登記の必要性を感じず手続きをしなければ、登記簿上は前の所有者のままとなり、実態とズレが生じてしまう。相続の場合は代が進むとさらにズレが広がり、誰が現在の所有者なのかすぐにはわからなくなります」

 

 相続では“法定相続人”がネズミ算式に増えるので、解決はますます困難になるのだ。

 

 権利の登記が任意なのは、日本の不動産登記制度がフランス法の考え方を取り入れているからだ。

 

 「フランス法では、第三者に『ここは自分の土地』と権利を主張するためには登記を必要とする、という考え方をとっています。ドイツ法のように登記しないと権利の変動そのものが成立しないという考え方もありますが、日本では採用されていません」

 

■所有者把握の仕組みに課題

 

 ところで、不動産には固定資産税がかかるはず。登記制度とは別に、行政は現在の所有者を把握しているはずだが、残念ながら所有者情報の把握の仕組みには課題が多い。

 

 市区町村は法務局の登記情報に基づいて固定資産税を課税している。戦前は税(地租)を徴収する税務署が土地台帳で所有者情報を管理していたが、戦後は土地台帳が登記簿に一元化された。そのため相続登記が行われない不動産については、自治体の税務担当者が相続人調査を行って現在の所有者を特定し、課税をしなければならない。

 

 「しかし、相続登記が長年放置される不動産は免税点(課税対象にならない資産額。土地は30万円、建物は20万円)未満のものも多い。課税対象にならなければ自治体が人員を割いて調査するインセンティブが働かない。事実上、後回しです」

 

 この問題を解決するために、政府も腰を上げた。法務省は、「登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会」を発足。法改正を視野に入れた議論をスタートさせる。これで問題は解決されるだろうか。

 

 「民法や不動産登記法を見直すとなれば、議論に長い時間がかかるでしょう。この問題に、万能薬や特効薬はありません。同時に登記の手間やコストを下げたり、所有者不明の土地の受け皿を整えるなど、さまざまな対策を積み重ねていくことが大切です」

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180105-00023722-president-bus_all

 


実家の空き家問題「三重苦」 住めない、貸せない、売れない

 年々深刻になる地方の「空き家」問題。だが、最近はすでに田舎から都市部近郊に超してきた世帯の空き家が増え続けているという。「両親もまだ元気だからウチは関係ない」では済まされない。いざ実家が空き家になって放っておけば大変なことになるのだ。オラガ総研代表取締役の牧野知弘氏が警告する。

 

 * * *

 空き家といえば、多くの人が思い浮かべるのが、すでにぼろぼろになって誰も住むことができないような「あばら家」かもしれない。確かに現在社会問題としても盛んに取り上げられている空き家問題を語る場合、こうした「あばら家」を対象とするケースがほとんどだ。

 

 しかし実際には空き家のほとんどは「あばら家」ではない。親が亡くなる、あるいは高齢者施設等に入居し、家に戻るあてもないままに「とりあえず」空き家となっているものが実は大多数を占めているのが現実だ。

 

 これまでの空き家問題はどちらかといえば地方から大都市に出てきた人たちが、親の亡くなった後の実家の取り扱いに悩むというのがテーマだった。しかし、地方は近所のてまえもあるので、とりあえずそのままにして、ときたま戻って管理する程度、税金もそれほどの負担ではないのでそのまま放置するというのが典型だった。

 

 ところがこれからは、地方から大都市に出てきた人たちが買い求めた大都市圏近郊のマイホームで育った団塊ジュニアたちが、実家の扱いで悩む時代になる。団塊世代も2023年以降は後期高齢者に突入する。これからは大都市圏郊外が大量相続の舞台となる。

 

 団塊ジュニアの多くは都心のマンション居住。夫婦共働きで子供を保育所などに預けて通勤するスタイルが主流である。そんな彼らにとって親が買い求めた大都市圏郊外の実家に住む予定はない。夫婦共働きで都心まで長時間の通勤を強いられることには耐えられないからだ。

 

 彼らの親たちが買い求めた郊外の家の多くはいわゆるニュータウンと言われる丘陵などを切り崩した住宅地が多い。敷地面積も狭く、家と家の間隔は狭い。空き家にして数か月も経過するとあっという間に隣近所からクレームが来る。植栽が伸び放題になって、隣地に跨るためだ。数か月に一度草木の剪定を行う必要が出てくる。

 

ニュータウンの多くがもともとは人が住んでいない丘陵地などであるので、人が住まなくなれば野生動物などが戻ってくる。タヌキやイノシシ、ハクビジンなどの野生動物が居つく、庭に糞をするなどでこれも近隣からのクレームの対象となる。

 

 最近は空き家に対する放火と思われる火災で隣家に類焼した責任を家主が負担する判決事例も出た。損害保険への加入は必須だ。

 

 固定資産税も地方であれば年間数万円程度で済むはずが、首都圏郊外ともなれば年間で15万円から20万円はかかる。家の維持が面倒だからといって建物を解体更地化してしまうと、住宅にのみ特別に認められた固定資産税評価額の減免措置がなくなり、土地に関する固定資産税は敷地面積が200平方メートル以下の場合には6倍に跳ね上がってしまう。

 

 家は住まないと傷みが早いといわれる。とりわけ木造家屋は湿気などがこもりカビが発生する。外壁塗装や屋根の葺き替えを定期的に実行していないと雨漏り等の原因となる。こうした修繕維持コストもそれなりにかかってくる。

 

 これだけいろいろな面倒やコストがかかるのだから、賃貸に出すあるいは売ればよいという結論になってもそう簡単ではない。

 

 ところが、特にニュータウンあらためオールドタウンになると、借り手を見つけるのは至難の業だ。

 

 親たちは自分で買ったマイホームからせっせと会社に通勤してくれたが、そもそも借りてまで住みたいという奇特な人にはお目にかかる可能性は低い。夫婦共働きの自分が住むつもりもない家を、自分たちと同世代以下の人たちが喜んで買うと考えるのは、頭の中がいささかお花畑だ。

 

 こうした状況の悪化を見越して先手を打つことはできるのだろうか。残念ながらあまり妙案はない。少なくともいざ相続が発生した時になるべく早く「貸す」なり「売る」の行動に移れるように準備しておくことである。

 

 つまり家財道具などは親に頼んでなるべく処分しておいてもらうことだ。隣家との境界や権利関係などでもめ事がある場合には今のうちに解決しておくことも肝要だ。

 

 またこんなことはまだ元気でいる親に言うべきことではないのかもしれないが、実家の相続は相続人を1人にしてもらうことだ。「家は財産だから兄弟仲良く均等に」などと考えてもらっては困る。

 

 私の知り合いは、東京の郊外にある実家を相続したが、相続人は兄弟姉妹4人。売ろうといえば妹が「お父さんの大事な思い出が詰まった家を売るなんて許せない」といわれ、固定資産税を払う際の分担については姉が拒否をする。姉は家の庭の草むしりにも一切協力せず「早く売ればいいじゃん」と主張するだけ。海外赴任の兄はもともと実家には無関心という板挟みに悩んでいるという。

 

「売れない」「貸せない」「自分も住む予定がない」という三重苦の詰まった「負動産」に苦しむ時代はもうすぐそこに迫っている。

 

 実家で迎えることが多い年末年始。家の問題は家族の問題。お屠蘇を飲む前の話題としては多少不謹慎ではあるが、家族で真剣に話し合われてみてはいかがだろう。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171229-00000006-pseven-bus_all

 


「タダ同然の廃墟物件」に買い手が集まる理由

空き家流通に訪れている変化の風 

 

「価格はゼロ円、佐賀の一軒家を土地、家具・家電付きでもらってください」「越後の田んぼ付き農家を理由あって格安でお譲りします」――。近年、空き家が社会問題になっているが、通常の不動産流通には乗らないような物件の売買ができる不動産サイトがちょっとした話題になっている。

 

たとえば、冒頭の越後の物件は、所有者が隣町に引っ越したことで空いてしまった。土地面積は約204㎡で建物は約112㎡、しかも1000㎡の農地付きで、価格はなんと80万円。山奥の物件だが、海水浴場まで45分と、別荘としては理想的な立地のようだ。「家いちば」には、こうした物件が数多く掲載されている。

 

全国から物件を掲載したいという要望

空き家に対する認識は、近年大きく変化している。たとえば、2年前には問題にされていなかった所有者不明土地が大きくクローズアップされ、日本には想像以上に放置されている土地が多いことがわかった。しかも、収益性で考えると使える空き家は10軒に1軒程度と、意外と少ないこともわかってきた。

 

一方で、空き家の活用方法が多様化しているほか、活用によっては町にプラスの影響を与えることも認識され始めている。空き家を対象としたクラウドファンディングやマッチングサイトなども登場している。

 

その中でも、筆者が面白いと思うのが、家いちばだ。不動産コンサルタントの藤木哲也氏が家いちばを立ち上げたのは2年前の10月。ほとんど広告していないにもかかわらず、この間、鹿児島から北海道までの128物件が掲載され、うち15件が契約に至った。

 

冒頭の佐賀の物件には、60件を超す問い合わせがあり、記事を執筆しているうちに買い手が決まった。2~3日に1件は掲載の依頼があるが、掲載文の校正作業などがあり、現在では掲載待ちの物件がつねに30件ほどあるほか、契約書作成待ちが数件という状態になっている。

 

入札情報サービスを提供する「うるる」が行った2016年の「空き家バンク運営実態調査」では、回答した219自治体の空き家バンクの平均成約率は月0.4件だから、家いちばの成約率がいかに高いかわかるだろう。

 

その要因の1つは、従来の不動産取引とは違う掲載条件の緩さにある。価格が決まっていなくても、どんな場所でどんなに古くても、残置物が多くて片付いていない状態でも掲載できるほか、本人の許可があれば親や親戚が所有する物件を無料で掲載できるのだ。

 

従来の不動産流通では残置物があるだけで扱ってもらえないと思われていたことを考えると、これまで弾かれていた物件が流通に乗るようになったのである。素人の文章、写真にアドバイスをしたり、校正するなどして読まれるようにしている点も大きい。

 

「もらってくれるならタダでも」という例も

この活況ぶりから、いくつかわかることがある。1つは、売る側の意識の変化だ。家いちばを利用する空き家所有者にとって不動産は重荷であり、資産ではない。実際、「もらってくれるならタダでもいい」という例が多く、最近ではタダなうえに「残置物等処理代として50万円を進呈しますという」秋田の物件さえも出てきている。

 

 

価格がついている物件でも、かなりの破格値で売買されている物件が少なくない。たとえば、少し前に契約が成立した高原の別荘は、バブル時代に土地代だけでおそらく数百万円で取引されていたと思われるうえ、建物も残置物さえ撤去すれば住めるような状態だった。それがなんと150万円。売買に時間をかけるより、早く手放して楽になりたいと考えている売り手の気持ちがすけて見える。

 

買う側も変わってきている。資産としてではなく、利用するものとして不動産を考えていると言えばいいだろうか。たとえば、前述の高原にある別荘を購入した人は、「10年遊んで、10年後にまた150万円で売ればいい」とクール。別荘維持のためにかかる管理費は、「遊ぶための費用」と割り切っているようだ。

廃墟同然の神戸の無料物件にも、30人以上が興味を示した。玄関が壊れているため、自由に内見してもらうようにし、入札にしたところ、7人が応札。タダでいいという物件にもかかわらず、40万円で売れた。使い勝手があまりよくなさそうな物件を、おカネを払って手に入れる行為はなかなか理解しがたいが、自分で好きにしていい建物を手に入れたい人には面白い「おもちゃ」を買った感覚なのかもしれない。

 

一般的には住宅ローンが使えないため、売れないとされる借地権付きや築年数の古い物件も、100万円前後の物件が多いこともあり、どんどん売れていく。前述の50万円進呈という物件にも100件近い問い合わせがあったため、入札となり、最終的には数十万円という値がついた。

 

売る側、買う側の意識の変化で空き家流通が進み始めているが、大きな障壁もある。それが先祖伝来の土地や屋敷を売ることに罪悪感を覚えるといった意識の問題である。今回、藤木氏とともに訪れた首都圏近郊の住宅では、所有者は「相続してすぐに売ったとなると何を言われるか、近所の目が気になる」と話す。都心ではそうした意識は薄いかもしれないが、首都圏でも農地の残るエリアでは根強いのである。

 

空き家が流通しにくい理由

 

この住宅の場合、半年前まで人が住んでいたため、建物はさほど傷んでいない。が、問題は山林と庭。草刈りを、年に3回地元のシルバー人材センターに頼んでいるが、それが1回15万円かかるうえ、庭師にも隔年で35万円支払っている。さらに、近隣に枯葉をまき散らす巨木伐採には100万円以上の見積もりが出ている。

 

相続した後にこうした負担がかかることがわかったが、残置物だらけの状態では一般の不動産会社には頼めないと、悩み果てていたところ、家いちばを知ったという。物件を掲載すると、数多くの問い合わせがあった。

 

価値ゼロと思っていた物件に価値を見いだしてくれる人がいると、所有者は勇気づけられたという。今のところ売却したいと考えているものの、活用してくれる人がいるのなら貸すという手も考え始めている。今後、売る、買うだけでなく、活用までアドバイスできる仕組みが付け加われば面白いだろう。

 

このほかにも、空き家の流通を活性化するには、いくつか改善すべきポイントがある。1つは、行政が保有する不動産関連情報の一元化だ。買った土地に家が建てられない、隣地との境界がはっきりしていない、水道が引かれていないといった購入後のトラブルを防ぐため、不動産の売買契約では、宅地建物取引士は多岐にわたる項目を調査する。法務局で謄本を取ることに始まり、税務署で固定資産評価証明書、道路課で道路台帳、水道局で水道管管理図を取る、法令上の制限を逐一確認するなど、手間がかかるのである。

 

しかし、政令指定都市クラスの自治体でなければ、こうした情報のデータベース化が遅れているほか、自治体ごとに部署名がバラバラだったり、必要な書類がそれぞれ違う場所にあったりする。そのため、情報を集めること自体にノウハウと時間がかかる。これが一元化され、素人でも簡単に調べることができるようになれば、買って安心かどうかがある程度予測できるようになり、流通は促進されるはずだ。

 

もう1つは、仲介手数料の見直しだ。現在、仲介手数料は、売買の場合、売買価格に応じて宅地建物取引業法で上限が決められており、売買価格が50万円だとしたら、仲介手数料は売買価格の5%が上限で、税込みで2万7000円。この金額で前述した各種調査を全部行うとしたら、とてもではないが割に合わない。つまり、不動産会社にとって取り扱うメリットがないのである。

 

国交省にも手数料を見直す動き

 

しかも、仲介手数料は成功報酬のため、売買が成立しなければ、何度現地に行こうが、いくら相談に乗ろうが一銭ももらえない。近隣の物件だけを扱い、どう売るかを考えなくても不動産が売れていた時代であれば、それでもよかったかもしれない。しかし、売りにくいものを工夫して売る時代には、売るための工夫などに関するコンサルティングに対してもなんらかの報酬を支払ってもいいのではないだろうか。

 

 

こうした中、国土交通省も空き家流通を図るため、400万円以下の物件については、仲介手数料の上限を実費なども含めて18万(プラス消費税)にするという動きがあり、現在、パブリックコメントを募集している。早ければ12月中に公布、2018年1月から施行という計画というが、さて、それで空き家が動くようになるかどうか。

 

藤木氏の場合、仲介手数料は宅地建物業法で定められた手数料の半額としているが、物件所有者に必要な書類を取得してもらうなど、あの手この手で出費を抑え、大幅な収益にはならないが、赤字にもなっていない状況という。そのほか、入札方式とする場合の手数料を別途設けるなどの工夫もしている。

 

空き家関連のビジネスが乱立する中、家いちばに追随する動きがないのは仲介手数料を鑑みると割に合わないと考える人が多い結果だろうが、モノはやりよう、考えようなのである。

 

あちこちのセミナーで「空き家が増えているのなら安く買えないだろうか」と期待している人たちに会う。生活費の中で最も割合の大きい住居費が空き家利用で低く抑えられれば、暮らしも人生も変わる。空き家利用ならビジネスも始めやすい。そう考えると空き家の増加は、社会にとってはピンチだが、個人にとってはチャンスともいえる。そして、そのチャンスが積み重なっていくことがいずれ社会のピンチを救うことになるかもしれない。

 

(中川 寛子 : 東京情報堂代表)

 

引用:http://toyokeizai.net/articles/-/197678

 


まもなく、日本列島を「死有地」が覆い尽くす

 人口減少により表面化した空き家問題だが、その根は想像よりもはるかに深い。誰の土地かわからないから、相続人も行政も手を付けることができない――まさしく「死んだ土地」が街にあふれていく。

 

最後の登記が1世紀前

さいたま市・大宮駅からほど近い県道沿いに、異様な佇まいを見せる一軒の「空き家」がある。周囲にはビルや高層マンションが立ち並び、空き家が面する県道はきれいに整備されている。

 

ところがその県道に沿った歩道を2メートル近く塞ぐようにして、柱も外壁も朽ちた家屋が突き出しているのだ。

 

瓦屋根がほとんど崩れ、ゴミも大量に放置されていて、とても人が住めるような状態では

ない。歩行者の危険になるので、さいたま市が100万円をかけて空き家の周りにフェンス

を設置した。

 

駅近で奥行きがしっかりとあり、小さいビルを建てることもでき、売却すれば数千万はくだらない立地のはずである。

 

価値が十分にありながら、手つかずになっているこの大宮の物件は、もはや私有地としての役割を失った「死有地」と呼ぶべきものだ。

 

実は、この家が最後に登記されたのは明治時代のことだ。それから1世紀あまりのあいだ、登記変更は行われず、代替わりするごとに法廷相続人は増え、いまでは数十人に及んでいる。

 

本来であればその家の住人が所有者ということになるが、空き家になってしまっているため、相続人のうち誰が法律上の所有者かは特定できない状態になっているのだ。

 

この相続人の一人である90代の女性は言う。

 

「私は3姉妹の末っ子で、結婚前は一家でそこに住んでいました。ただ、この土地をどうするかについて父からの遺言はなかったのです。

 

だからいま誰の所有地になっているのか、誰がどれくらい固定資産税を払っているのか、

家族のあいだでもよくわかっていません。

 

『それはうちの土地だ』と言ってくる親族もいるのですが、行政書士に相談したり役所に

出かけて手続きすることも体力的に厳しく、私自身ではどうすることもできなくなってしまいました」

 

なぜ、このようにほんとうの持ち主がわからない「死有地」と化すのか。

 

「ふつう、土地や家屋の所有者が亡くなったとき、相続人が相続登記を行って名義を書き換えるのですが、これは義務ではありません。そのため、きちんと手続きがされないと、登記簿上の名義は故人のまま、相続人の誰かがそのことを知らずに住んでいることもありえます」(住宅・不動産総合研究所代表の吉崎誠二氏)

 

 

死亡などのタイミングで登記の書き換えが行われない場合、後になって手続きすると、かなり厄介なことになる。相続人全員の戸籍謄本や住民票の写しを取り、その全員から登記の変更について了承を得る必要がある。

 

次回は「4件に1件が空き家に」です。ご期待ください。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171218-00053207-gendaibiz-bus_all&p=1

 


貧困問題を解消するには、空き家を活用せよ

「下流老人」著者が提言する格差是正の

処方箋

 

「家賃を払うと、生活資金が手元に残らない。いったいどうすればいいのか……」

 

東京都内に暮らすAさん(32)は頭を抱えている。Aさんは現在、非正規労働者として働く。月の収入は手取り約16万円。

 

家賃7万円のアパートに妻(30)と子ども(3)の3人で暮らしている。

妻は子育てに追われ、働く時間が取れない。毎月の収支は赤字で、足りない分は貯金を切り崩しながら生活をしている。ただ貯金の残高は約60万円と決して多くはなく、このままではゼロになるのも時間の問題だ。

 

重くのしかかる家賃負担

私は昨年、『下流老人』(朝日新書)を発表して多くの方から反響をいただいた。だが貧困問題は何も高齢者に限った話ではない。日本の相対的貧困率は2013年時点で16.1%、いまや6人に1人が貧困状態にあり、誰もが陥る可能性がある。

 

トマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)やアンソニー・B・アトキンソンの『21世紀の不平等』(東洋経済新報社)に代表されるように、世界でも格差や貧困に対する研究が進み、新自由主義から分配重視へトレンドが移っている。ここでは日本特有の貧困問題についてまとめてみたい。

 

生活が困窮する大きな原因のひとつが、冒頭のエピソードのような「住宅」の問題だ。私が所属するNPO法人「ほっとプラス」には年間500件以上の相談が寄せられるが、家賃の支払いで追い詰められているケースが非常に多い。

 

データで見ても、生活困窮者にとって家賃の負担は大きな重荷になっている。たとえば、2014年12月にビッグイシュー基金の住宅政策提案・検討委員会が実施した調査「若者の住宅問題」(首都圏と関西圏に住む20~39歳、未婚、200万円未満の個人を対象)によると、手取り月収から住宅費を差し引いた金額であるアフター・ハウジング・インカムがマイナスになる人が27.8%も存在する。プラスのグループにおいても「0~5万円未満」が17.0%、「5万~10万円」が32.9%と、低水準の人たちが多い。

 

若者に関していえば、親と同居する理由で約半数を占めるのは、「家賃が負担できないから」であった。低所得であればあるほど、親と同居している。そして所得が低く、親と同居しているほど結婚の予定がないと回答しており、少子化につながっている可能性もある。

 

生活困窮者にとって住む家があるというのは、大きなよりどころとなっている。家を失ったり、家賃を支払えなくなったりすると、精神的に追い詰められてうつになる場合が多い。生活困窮者の住宅対策は非常に重要だ。

 

ところが、現状の制度はあまりに手薄と言わざるをえない。生活保護を受ける場合に家賃として支給される住宅扶助や、昨年4月にスタートした生活困窮者自立支援法に定められた離職によって家を失う可能性がある場合の住宅確保給付金(有期)くらい。貧困に転落した人に対する救貧制度のみで、貧困転落を回避する防貧制度はないのが実情である。

 

収入に占める住居費を1~2割に抑えられると生活に少し余裕が生まれ、より多くのおカネを教育費や老後資金に回すことができる。ではどうすればいいのか。

 

空き家を積極活用せよ!

海外では公営住宅や低家賃の住宅があり、家賃補助制度も整備されている。一方、日本では公営住宅が圧倒的に足りない。2013年度の公営住宅の応募倍率は全国平均で6.6倍、東京都は23.6倍と、生活困窮者であってもなかなか入居できない。

 

そこで筆者が注目しているのは空き家の活用だ。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2013年の空き家は全国で820万戸、総住宅に占める割合は13.5%に上る。折しも政府は3月18日、今後10年の住宅政策の指針として「住生活基本計画(全国計画)」(計画期間:2016~25年度)を閣議決定。その中で「空き家を含めた民間賃貸住宅を活用して住宅セーフティネット機能を強化」という文言が盛り込まれた。ただしその具体策については明記されていない。

 

住生活基本計画のパブリックコメント(意見募集)では、家賃補助制度を求める声もあった。しかし、国土交通省は「家賃補助制度については、民間家賃への影響、財政負担などに課題があり、慎重な検討が必要である」と回答している。

 

住宅は最大の福祉制度であると筆者は考えている。一歩ずつでも少しずつでも、社会投資としての住宅整備をしていく必要がある。

 

生活水準を上げるために貢献するはずの「教育」も、貧困の原因となりつつある。2012年度のデータでは大学生の52.5%が奨学金を利用している。7割以上が有利子貸与だ。2012年時点で日本学生支援機構の奨学金返還の延滞者は33万人超に上る。

 

教育を受けるために高い学費を払い、高額の奨学金を借りる若者が多い。だがその教育に見合った仕事に就けるかどうかは不透明だ。そして返済は何年も続く。

 

奨学金を借りる背景にあるのは、学生の親世代の所得減少だ。国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、民間企業の労働者の平均年収はピークだった1997年の467万円から2013年には414万円に下がった。親からの仕送りも減少しており、奨学金を借りたり、アルバイトをしたりして、学費や生活費を工面しなければならない。

 

そうした中で台頭してきているのがブラックバイトである。バイトを辞められない弱い立場である学生に対し、休憩なしの長時間労働やクリスマスケーキやおでん、衣服、化粧品などの自社商品を自腹で購入させるといったむちゃな労働を強いる企業が少なからずある(若者の貧困については拙著『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書)をご覧いただきたい)。

 

富裕層は社会の構成員として応分の負担を

学生の本分である勉強に専念する環境を作るためには、返済の必要がない給付型奨学金の拡充が欠かせない。財源は富裕層に対する課税だ。奨学金問題に詳しい中京大学の大内裕和教授によると、給与所得は累進の最大税率が45%、株や債券などの金融所得が20%であり、この税率を同じ累進で最大45%にするか、あわせて総合課税すれば相当な財源ができるという。筆者もおおむねその意見に賛成する。

 

富裕層が富裕な状況でいられるのは、社会があって労働者がいるからだ。努力をした者が多くを得られることは否定しないが、その努力ができる環境も社会が与えたもの。その社会が危機に瀕しているときには、社会の構成員として責任を応分に求めていくことを避けてはいけない。

 

 

教育に社会的な投資がなされれば、長期的には納税者として国を支える存在になる。人が資源と考え、積極的に先行投資をしている北欧のほか、英国でも不平等研究の大家であるアンソニー・アトキンソンが『21世紀の不平等』の中で「すべての家庭に児童手当を支払うべき」と提言するなど、海外ではそうした考え方が広がっているが、日本では十分に議論がなされていない。

 

貧困層が厚くなればなるほど、税金や社会保障費は膨らむ一方だ。その状態が長く続けば、健康にも影響し医療費も増える。放置すると上の世代にも下の世代にも影響を及ぼすのである。貧困は人ごとではない。それを食い止めるためには日本全体で危機感を共有して議論を深め、早急に手を打つ必要がある。

 

引用:http://toyokeizai.net/articles/-/112331

 


空き家買い取りに減税拡充 国交省、流通促進へ業者支援

国土交通省は26日、全国で急増する空き家の流通を促進するため、不動産事業者が空き家を買い取ってリフォームを行う場合、敷地にかかる不動産取得税を減額する新たな特例措置を、平成30年度の税制改正要望に盛り込む方針を固めた。事業者の物件取得コストを軽減することで、空き家の再販売を活性化させるのが狙いだ。

 

 空き家など中古住宅を買い取ってリフォームした物件を販売する「買取再販」を行う事業者などが対象。耐震性能改善などのリフォームを前提に中古住宅と敷地を取得した場合、現行税制では住居部分の不動産取得税を築年月に応じて最大36万円を減額しているが、要望では敷地部分にも軽減措置を求める。

 

 減額幅は(1)4万5千円(2)住宅床面積の2倍分(上限200平方メートル)の課税額-のいずれか多い方。また、消費者が買取再販のリフォーム住宅を購入した際、住宅の所有権移転登記にかかる登録免許税率を0.3%から0.1%に引き下げる現行の特例措置も、今年度末の期限切れに合わせて延長を要望する。

 

総務省によると、全国の空き家は約820万戸と20年間で1.8倍に増加。賃貸や売却向けに流通する物件を除けば、活用されていない空き家は約318万戸とされる。都市部の居住者が地方の空き家を相続したものの管理が行き届かないケースも増え、地域の防災や防犯、景観面などで悪影響が懸念されている。

 

 空き家の流通促進に向けては、物件情報などを登録した「空き家バンク」の活用で需給のマッチングを進める一方、消費者が購入に前向きになるような品質向上が不可欠。国交省は住宅販売のプロである不動産事業者の関与を強める必要があるとして、税制面での支援を検討していた。

 

引用:http://www.sankei.com/economy/news

 


どうするマイホーム、これを知らなきゃ「負け組」に         長嶋修著 「不動産格差」

国内で1日に刊行される新刊書籍は約300冊にのぼる。書籍の洪水の中で、「読む価値がある本」は何か。書籍づくりの第一線に立つ日本経済新聞出版社の若手編集者が、同世代の20代リーダーに今読んでほしい

 

自社刊行本の「イチオシ」を紹介するコラム「若手リーダーに贈る教科書」。

今回の書籍は「不動産格差」。

 

住宅ローン金利が歴史的な低水準にあるため、家を買うかどうか真剣に検討している人も

多いだろう。そんな人に向けて不動産市場の未来を予測しながら、マイホームの「勝ち組」と「負け組」を分けるポイントを解説している。

 

著者の長嶋修氏は1967年生まれで、広告代理店や不動産デベロッパーなどで働いた経験が

あります。その後、不動産コンサルタントのさくら事務所を設立し、現在は代表取締役会長を務めています。著書に「『空き家』が蝕む日本」(ポプラ新書)などがあります。

 

■「どんな家でも資産」の時代は終わった

 

 会社での仕事ぶりが「一人前」と認められるようになると、上司や先輩に「家を買わないのか? そろそろいいんじゃないか」などと言われます。友人が新築マンションを買ったなどと聞けば、「自分もそろそろ」と思ったりする時期かもしれません。そんなときに気を付けたいのは「家を持つのが当たり前」「持っていれば資産」という時代は、もう戻ってこないということです。

 

 価値ゼロどころか、売り出しても買い手がつかず、売り主が100万円単位の解体費を負担するといった、事実上の「マイナス価格取引」すら見られます。交渉の過程でこのように決まったようですが、もし物件広告に「マイナス150万」と書かれていたらびっくりします。

 

 「不動産はどんなものでも持っていれば資産」という時代は終わりました。さらに言うと、不動産はただ所有しているだけでは固定資産税や維持管理費がかかる「負債」です。

所有する不動産をどのように活用できるのか、中身が問われる時代になりました。

(第1章 2022年、住宅地バブルの崩壊 31ページ)

 

高度経済成長に沸いた1960年代後半から70年代にかけ、都心から30~40キロメートル圏内のベッドタウンには、多くの団地や分譲住宅が造られました。住宅ローンの金利は年7~10%の高さでしたが、抽選会が白熱するほどの人気でした。

 

 当時のマイホーム人気をもたらしたのは「経済は成長を続け、地価は上がり続ける」という社会のムードでした。著者は、早くしないと価格が上がって買えなくなるという焦燥感があったと指摘します。

 

 では、今はどうでしょう。ニュータウンの建物は多くが老朽化し、少子高齢化で人口も

減って「スラム化」を心配する声が出るほどです。高齢化が進み、人口や世帯数は本格的な減少時代を迎えます。空き家は現在も増え続けており、2013年時点で13.5%だった空き家率(総務省調べ)が、30年には30%台にまで上がるという予測もあります。こんなときだからこそ「家を買うのか、賃貸住宅に住むのか」「買うなら、どこにするのか」。この選択が大変重要です。

 

■不動産、9割は値下がりへ?

 

 著者は、不動産のうち将来も「価値維持あるいは上昇する」のは10~15%にすぎず、残りは程度の差はあっても下がり続けると分析します。12年に第2次安倍内閣が発足して以降、日経平均株価の上昇と連動する形で、東京都心の中古マンションの価格は上昇しています。ただ、上昇したのはほんの一部にすぎないといいます。

 

上昇トレンドに乗って大きな恩恵を受けた不動産は極めて限定的でした。東京都心部なら前述の通り、中央・千代田・港区の都心3区に新宿・渋谷区を加えた5区くらいまでは50%程度上昇しましたが、東京全体ではプラス40%程度、神奈川・埼玉・千葉に至ってはせいぜい20%程度の上昇です。

 さらに南関東圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)で価格を上げたのはマンションのみで、一戸建てや一戸建て用の土地は、横ばいないしは下落トレンドにありました。

(序章 不動産の9割が下がっていく 23ページ)

 

■その土地、人は増える?それとも…

 

 それでも家を買いたいという人は、どうしたらいいのでしょうか。著者は、最も大切なのは、とにかく立地だと断言します。

 

 人口や世帯数が減少する局面では、人の動きは偏在化し、特定の場所に集まることが知られています。その偏在具合も通常イメージされているよりは極端になります。東京圏・名古屋圏・大阪圏の三大都市圏に人口が集中する一方、全国の6割以上の地域は人口が半分以下になります。

(第2章 「どこに住むか」が明暗をわける 55ページ)

 

 人口減少社会を迎え、駅周辺や鉄道沿線に行政や商業、福祉の機能を集める「コンパクトシティー」という考え方が注目されています。こうなると自治体は「人口を増やしたい地域」と「そうでない地域」を自ら色分けすることになります。同じ自治体でも、場所によって土地の需要に格差が生まれることになるのです。

 

 著者は、市区町村役場で都市計画図を見たり、都市計画課などに足を運んで将来の都市構想や計画を聞いたりすることをすすめます。また、あの手この手の子育て支援で新たな住民を呼び込んでいる千葉県流山市などの例もあることから、自治体の政策にも注目する必要があるとしています。

 

 本書ではこのほか、住宅の良しあしを見分けるポイントや中古住宅やマンションとの

うまいつきあい方なども紹介しています。住まいの「負け組」にならないために必読の

一冊です。

 

(雨宮百子)

引用:https://style.nikkei.com/article/

 


相続した"幽霊屋敷"を売りやすくする方法

決して年収は高くないのに、お金を貯められる人がいる。どこか違うのか。

雑誌「プレジデント」(2017年2月13日号)の特集「金持ち夫婦の全ウラ技」より、人生の3大出費のひとつ「住宅」にまつわる知恵をご紹介しよう。

 

第2回は「空き家特例」について――。

(全12回)     

■相続した空き家物件を売りやすくなった

 

 母親が1人で長年住んでいた東京の区内にある一軒家。2年前、それを相続したのだが、

自分は別に住居があって、空き家のまま。築50年で外壁も傷み、近所の皆さんからは「幽霊屋敷」と呼ばれ始めている。でも、解体すると固定資産税が跳ね上がるため、そのままに

している。

 

 そんな人にとって朗報となる税制が誕生しました。それが2016年4月1日から始まった「空き家にかかる譲渡所得の特別控除」の特例です。売却した場合、売却金額から概算取得費や譲渡費用を差し引いた譲渡益から、さらに3000万円の特別控除が認められます。

 

その結果、譲渡所得に対する税金が安くなり、相続した空き家物件を売りやすくなったの

です。ただし、その適用を受けるためには厳しい条件が課せられています。

 

 まず、特別控除の対象となるには、被相続人である親が1人で住んでいなければならず、子どもが同居していると認められません。また、親が老人ホームに入っていた場合も適用外です。家の形態は戸建て、1981年5月31日以前に建てられた物件に限ります。

 

 次に、物件は相続発生から3年後の年末までに売る必要があります。

例えば、16年4月1日相続発生なら、19年12月31日までの間です。では、何年前の相続からOKかというと、16年中の売却なら13年1月2日からの相続ということになります。

 

 売却金額が1億円以下ということにも要注意です。売却代金には、不動産売却の際に売り主と買い主の間で精算することが慣例になっている固定資産税を含むためです。売却金額が1億円をわずかでも超えてしまうと、この特例は受けられません。

 

■兄弟2人なら共有で相続

 

 おそらく、ほとんどの相続人である子どもは、古くなった建物を壊して敷地だけ売却するものと思われます。更地にしたほうが売却しやすいからです。なお、相続開始から解体までの間、家屋を貸し付けたり、居住用に使ったりすることはできません。

 

 確定申告書には「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が義務づけられています。

これは、被相続人が1人で住んでいた家屋を取り壊したときから譲渡するまで誰も居住せず、空き地のままだったことなどを各市区町村長に確認してもらう書類です。

 

 この確認書を申請する際には、所定の用紙に相続人が必要事項を記入して、使用状況が

わかる写真と一緒に行政窓口へ提出しなければなりません。ただし、気をつけなければならないのは、解体から譲渡まで時系列に撮影した写真が複数枚必要だということです。

売却後に気がついて写真を撮ろうにも、家が建っていると、特例を受けられなくなってしまいます。

 

 ところで、この特例では兄と弟というように兄弟2人が半分ずつの共有持ち分で空き家と敷地を相続したとすると、適用要件を満たしていれば2人とも特例の対象になります。

売却金額が9000万円で、売却費用などを除いた兄と弟の譲渡所得が4000万円ずつなら、

それぞれ3000万円を控除できます。

 

 土地の評価額が1億2000万円だった場合、そのままでは控除の対象にはなりません。

共有で相続しても売却代金は1億円以内でなければならないからです。もちろん、一部を

売却し、特例を受けることは可能ですが、このような場合はさらにいくつかの注意点が

あります。必ず専門家にご相談ください。

 

 Answer:親が1人で住んでいて売却額1億円以下などなら適用

 

  President online

 

柴原 一(しばはら・はじめ)

税理士。税理士法人柴原事務所代表社員。1957年生まれ。86年、税理士登録。相続税に精通し、編著書『知っておきたい空き家の税金』をはじめ著書多数。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171206-00023761-president-bus_all

 


空き家で街がスカスカ 東京郊外で進む「都市のスポンジ化」、対策はあるのか?

都市のスポンジ化」という現象を聞いた

ことがあるでしょうか。人口が減るなかで空き家や空き地がランダムに発生し、街がスポンジのようにスカスカになってしまうことです。この問題が東京の郊外で注目

され始めています。

 

 「1970年代ごろまでに建てられた家で

空き家が増えている。マッピングすると、スポンジ化を実感する」。

 

こう話すのは、埼玉県毛呂山町役場の酒井優さんです。「街の人口密度が下がると、多額

の投資をしてきた下水道や道路などが無駄になる。小売店なども収支があわず撤退して

しまう。それでまた人が減る負のスパイラルに陥る」と懸念しています。

 

 スポンジ化は日本特有の現象とされます。高度経済成長期に都市部に若者が大勢やって

きました。彼らは結婚するとマイホームを求めて郊外に散らばりました。その家を相続した子どもが放置すると空き家や空き地になります。団塊の世代の持ち家の相続期を迎える

2033年には3軒に1つが空き家になるとの予測もあります。

 

 奇妙なことに周辺では開発が続いています。2000年代の規制緩和により、それまで開発できなかったところに、若い人向けの住宅や、相続対策用のアパートが大量につくられているのです。東洋大学の野沢千絵教授は「少しでも人口を確保したい自治体が郊外の開発を許容している。焼き畑農業的な対応」と批判します。

 

 都市計画制度の限界もあります。日本では開発時点での規制はありますが、開発後にどう使うかは事実上、個人の自由です。英国では開発した後もより良い街にしていくための仕組みがあります。開発事業者と自治体、土地の所有者が協定を結び、土地の使い道を考えるのです。そうした開発費も事業者が負担します。

 

 野放図な街づくりのツケを背負うのは住民です。景観が悪化したり、水道などのインフラ整備費が膨らんだりします。国土交通省も対策を考え始めていますが、具体化はこれからです。首都大学東京の饗庭伸教授は「いろんな立場の人が、生活を良くしようと考えることが大切」と話します。街をどう縮小していくか。知恵の絞りどころです。

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171206-00010001-nikkeisty-bus_all&p=1

 


DIY型賃貸で“自分の城” 国推奨の空き家対策 昭和アパートを快適今風に

クギ1本打てなかったアパートが大変身。壁紙やペンキ、タイル、棚などを使って、部屋を自由に改装(リノベーション)できるDIY型賃貸住宅が広がっている。

 

「借家でも自分らしい住まい」を求める今時のニーズに応える一方、大家側にとってもリフォーム負担が低減されたり、長期安定契約が望めたりするなど双方にメリットのある新たな賃貸借のかたちだ。

集合住宅の“スラム化”問題が年々深刻化する中、老朽・中古物件の空き家対策として、国も推奨している。(重松明子、写真も)

 

■弾みつく入居者の新陳代謝

 

 白地に藍(あい)色の模様が爽やかな壁紙。取り払われた押し入れ脇のコーナーに天板が渡され、明るくモダンな読書スペースが生まれていた。

 

 JR西荻窪駅(東京都杉並区)徒歩4分の住宅街。昭和50年築、鉄筋コンクリート5階建てアパート「西荻北ホープハウス」の一室だ。「DIY型賃貸」開始をアピールするため10月、改装例を公開するモデルルーム見学会を開いた。

 

 《「do it yourself」の頭文字を取った「DIY」は「日曜大工」とも呼ばれ、自分で何かを作ったり修理・修繕したりすることを指す》

 

 「西荻北ホープハウス」は団地風の外観だが、内部の階段がゆったりしているなど、人にやさしい構造。しかし老朽化により、全41戸中13戸が空き家となってしまい、DIY型への転換を決意した。オーナー家の松田康子さん(78)は、見学者の出入りをそっと見つめていた。

 

 「エレベーターもない低い建物ですが、設計からこだわってつくり、思い出も愛着も深い。ここでお子さんを育てた方、当初からお住まいの方もいらっしゃる。『土地を売ってほしい』との申し出は多いけれど、壊したくないんです。また、にぎやかになってくれたらうれしい」

 

 そんな康子さんの思いを受け継ぐように、入居者の新陳代謝には弾みがついている。

 

 8月末に入居した佐藤香苗さん(43)は、「古いけどいい感じのアパート。これからどう手を入れようか」と声を弾ませた。ともにイラストレーターの北原明日香さん(35)らとシェアオフィスとして使っており、壁に打ち付けた木の棚は「ただでもらったワイン箱」。方眼紙柄の壁紙を貼って仕事部屋のムードを演出…。「個性的な雑貨や骨董(こっとう)店が点在するなど、西荻窪は面白い街。日々愛着が深まるこの部屋で、いろんな人と交流してゆきたい」

 

 2人は笑顔を見合わせた。

 

■近江商人の経営哲学「三方よし」

 

 同物件を仲介する「リベスト」によると、見学会から1カ月以内に30~40代の単身者や夫婦3組が新たに入居を決めたという。「壁紙が選べる賃貸も人気があり、より自由なDIY型に発展している。工夫次第で、割安な家賃でワンランク上の特別な空間が作れるのが魅力」と同社。

 

 モデルルームを手がけた地元のリノベーション会社「夏水組(なつみくみ)」の坂田夏水社長(37)は、「西荻窪らしい昭和のビンテージ物件。スクラップ・アンド・ビルドではなく、古い建物の良さを生かして快適に暮らすためのDIYを提案し、相談にも乗っていきたい。できるところから手を入れて、楽しんでください」。

 

 壁10平方メートルの改装の場合、壁紙でもペンキでも5千~1万円の予算が目安と

なる。

 

 国土交通省によると、国内の空き家総数(公営住宅を除く)は平成15年の659万戸から25年には820万戸に増加。空き家が犯罪の温床になったり、管理不能に陥るなど、集合住宅のスラム化問題は深刻さを増すばかりだ。

 

 そんな空き家対策のひとつとして同省は昨年、ガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」を作成。メリットや契約時の注意点などをまとめた。改装の範囲や原状回復責任の有無などの明確な合意がDIY型の大前提。トラブルを未然に防ぐ観点から、契約書のひな型をホームページでも公開している。

 

 賃貸でも“自分の城”が持てる仕組み。貸し手と借り手に利をもたらし、社会貢献にもつながるならば、これはまさに近江商人の経営哲学「三方よし」そのもの!?

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171125-00000512-san-life

 


空き家対策に待ったなし

今や社会的問題にまでなっている「空き家・空き地問題」。

 

2015年施行された「空き家対策特別措置法(空き家特措法)」を機に特定空き家

の除却や「空き家バンク」による空き家

流通などが全国で進んでいるものの、社会的問題を抱える空き家数は340万戸とも

いわれ、その除却や有効活用加速は喫緊の課題だ。

 

そうした中で、自由民主党政務調査会 住宅土地・都市政策調査会の中古住宅市場活性化小委員会(委員長:井上信治衆議院議員)が今年5月、空き家・空き地問題解決に向けた「中間とりまとめ」を発表した。同とりまとめに盛り込まれた「8つの提言」の意義や今後の空き家政策について、井上委員長に話を聞いた。

(聞き手:「月刊不動産流通」編集部)

 

増え続ける空き家の「抑制」に重点

 ――今回の中間とりまとめに至る経緯を。

 

 「当委員会では、2015年5月、中古住宅市場活性化に向けた8つの提言を発表し、その中に空き家対策も盛り込んだ。この提言をまとめた時私は事務局長だったが、かなり意欲的な内容で、盛り込んだ内容を関係省庁とともに実践してきた。その後、私は委員長としてさらなる政策検討を進める立場になったが、単純に2年前のフォローアップをするのでは

意味がないと考え、前の提言の中で最も重要度の高い『空き家問題』に焦点を当てることにした。

 

 空き家問題はすでに全国どこでも深刻であり、今なおその数が増え続けている。仲間の国会議員達からも、この問題にしっかり取り組んでほしいという要望も多かった。また、空き家だけでなく空き地についても取り組んでほしい、という要望もあり、両方含めた形で議論を重ね、関係者からのヒアリングなども参考に8つの提言(別掲)としてまとめた。

 

 実は、委員会内で空き家・空き地政策に係る課題をピックアップしたところ、20を超えた。そんなに総花的に提案しても、成果が上がらなければ意味がない。そこで、重要性の高いもの8つに集約した」

 

――提言の中で、最も重要と考えているものは?

 

 「空き家・空き地対策は、大きく3つに分類できる。まず『発生の抑制』、次に『利活用』、そして『除却』。この中で、最も重要なのが『発生の抑制』だと考えている。空き家は既に、利活用できるものも含めれば820万戸を超えており、このまま放置すれば10年で倍になるという予測まである。その意味で、今回の提言では『抑制』に一番力を入れている」

 

 ――具体的には?

 

 「提言1の『所有者情報の開示』については、数年前から多くの不動産流通事業者から地方自治体の固定資産税課税情報を活用できれば、空き家対策にさまざまな協力ができるという要望を受けていた。すでに空き家特措法によって行政内部では活用できるため、外部の事業者に提示してもらえるよう、総務省に掛け合った。

 

 当初同省は、個人情報の第三者開示などを理由に強硬に難色を示していたが、粘り強く議論を重ね、さらに開示に関するさまざまな条件を設けたうえで開示を認めてもらい、国土交通省からガイドラインを出すことができた。ただ、ガイドラインは出せたものの、自治体の多くがトラブルを恐れてまだ様子見の段階。今後は、優良事例をどんどん集め、自治体に活用を促していく」

 

 ――情報開示に関しては、空き家・空き地の所有者など、国民の理解も重要では?

 

  「個人情報の開示について不安を抱く消費者がいるのは当然であり、だからこそ利用できる団体を決めるなど、二重三重の条件を付けている。また、情報開示にあたっては、固定資産税だけでなく、相続の情報なども活用できないか、提言に盛り込んでいる。空き家発生と相続は密接な関係があり、両者がリンクできれば空き家発生抑制に相当の効果が期待できる」

 

実費ぐらいはペイできる仲介手数料に

 

 ――空き家・空き地の「利活用」については?

 

 「提言2に盛り込んだように、空き家・空き地バンクや不動産総合データベースの整備などで、空き家・空き地に係る情報整備をしっかり進めていく必要がある。空き家バンク事業に取り組む自治体は増えてきたが、まだまだ数が少ないし、自治体個々に限定せず、より広域的なものにしなければ、消費者は使いづらい。すでに、『全国版』の構築に向け、今年度予算にも盛り込んでおり、早期に実現したい。

 

 不動産総合データベースについては、2年前の提言にも盛り込んだ。不動産に関連する情報は、レインズを筆頭にさまざまなデータベースがあるが、災害危険区域などの防災情報や都市計画に係るさまざまな規制情報などが一元化して閲覧できれば、不動産流通事業者だけでなく国民にとっても極めて使い勝手がいいものになるはずで、できるだけ早く実現すべきだと考えている」

 

 ――提言5では、空き家流通に係る媒介費用の適正化(増額)について盛り込んでおり、不動産流通事業者は注目している。

 

 「仲介手数料のあり方については、『低額物件を引き上げるのであれば高額物件は引き下げろ』『低額物件だけでなく全体を見直せ』『半世紀もそのままというのはおかしい』などさまざまな意見があり、そこに踏み込むことは非常に難しい。ただ、空き家・空き地の流通促進に関しては可能と考えた。

 

 空き家は基本的に低額物件だから、今の手数料率だと実費さえ賄えない。仲介すればするほど赤字になるのでは、事業者もモチベーションが上がらない。やはり、低額物件に関しては少なくとも実費ぐらいはペイできるような手数料の設定は必要だ。

 

空き家所有者の側に立っても、そのほとんどが空き家の処理に困っており、『タダでもいいから処分してほしい』という人も多い。そういう事情であれば多少負担が増えたとしても問題がないと考えられる。すでに、国土交通省との間で具体的にどうしていくか調整しており、今夏には打ち出せる見込みだ。

 

 仲介手数料全体の問題については、流通コスト全体の在り方にも留意しながら、将来の課題として認識していく」

 

 ――今回の提言は「中間とりまとめ」という形だが、今後「最終とりまとめ」のようなものはあるのか、また、今後の具体的な政策実現に向けて、委員会としてどのような活動をしていく予定か?

 

 「まずは、今回の提言に盛り込んだ内容を、すぐできること、すぐやらなければいけないこと、今後数年かけてやることに分け、それぞれフォローアップしながら新しい課題に取り組んでいく。

 短期的には、前述した手数料の問題や、提言3に盛り込んだ空き家活用を阻害する建築規制の見直しについては、国土交通省に早く見直すよう指示しており、夏までには目途をつけられると思う。

 

 今後は、空き家だけでなく空き地対策も進めなければならないが、空き地についても新法を作るべきか、また空き家特措法を改正して空き地対策も盛り込むかといったことを考えなければならない。提言それぞれでタイムスパンは違うが、業界の皆さんの話を聞きながら、政府とも調整しながら継続して取り組んでいく」

 

 ――今回のとりまとめは、自民党の中ではどういう位置づけになっているのか?

 

 「当とりまとめは、住宅土地・都市政策調査会の了承をもらい、5月18日に政調会で認めてもらったことで、党全体の提言となっている。すでに石井啓一国土交通大臣には、党から政府への提言という形で政策を進めてくれとお願いした。また、石原伸晃経済財政担当大臣にも、成長戦略にぜひ盛り込んでほしいとお願いし、提言のエッセンスが盛り込まれることになっている」

 

地域に根差した不動産事業者の役割に期待

 ――今回の提言を実現化していくうえでの課題は?

 

 「空き家・空き地政策は、自治体の役割が非常に重要だ。政府として法律や枠組みは用意するが、それを実際に動かすのは自治体。しかし、自治体間で温度差が相当ある。やる気のある自治体と協力して、成功事例や先進事例を集めていくことで、他の自治体の政策に波及させていくべきだろう。

 

 また、各地域に根差した不動産事業者の役割も大きい。政策は国や自治体が中心となり進めても、それを国民・利用者へ繋いでいくのは事業者の皆さん方だ。空き家の流通は、正直儲かる仕事ではないかもしれないが、そこに携わる中で別のニーズが掘り起こせれば、新しいビジネスに繋がることもある。地域貢献の意味もある。空き家問題は、地域の治安や景観、防災問題でもあり、地域を良くするためにも、地元に根付いた事業者の方々には積極的に携わってほしい」

 

いのうえ・しんじ 1969年東京都出身。東大法卒業後、国土交通省入省。
外務省勤務などを経て、2003年の衆議院総選挙で初当選し、現在5期目。
自由民主党では現在、副幹事長、団体総局長、税制調査会幹事等を務める

 

引用:https://www.re-port.net/article/topics/0000052229/

 


高齢者の住まいに空き家活用 25日から新制度

 賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな制度が25日から始まる。

 

所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙い。

政府は2020年度末までに全国で17万5千戸の登録を目指す。

 

 65歳以上の単身世帯は15年の601万世帯から、35年には762万世帯に増える見込み。だが単身高齢者や所得の低いひとり親世帯などは、賃貸住宅への入居を希望しても、孤独死や家賃滞納のリスクがあるとして、入居を断られるケースが多い。

 

 一方、全国の空き家は820万戸(13年度、総務省調査)で20年前の約1.8倍に急増。

このうち耐震性があり、駅から1キロ以内の物件は185万戸に上る。

 

 新たな制度は、4月に成立した改正住宅セーフティーネット法に基づき、空き家などの

所有者が賃貸住宅として都道府県や政令市、中核市に届け出る。

 

 登録条件は

(1)高齢者らの入居を拒まない

(2)床面積25平方メートル以上(シェアハウスは専用部分9平方メートル以上)

(3)耐震性がある――など。

 

自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開。物件が適正かどうか指導監督したり、入居後のトラブルに対応したりする。

 

 耐震改修やバリアフリー化が必要な場合は、所有者に最大200万円を助成。低所得者の家賃を月額4万円まで補助したり、連帯保証を請け負う会社に支払う債務保証料を最高6万円助成したりする仕組みも設けた。

 

 このほか入居者のアフターケアとして、高齢者らを必要な福祉サービスにつなげる役割を担う社会福祉法人やNPOを「居住支援法人」に指定。

同法人や自治体、不動産関係団体などで構成する居住支援協議会を自治体ごとに置き、物件探しや入居者とのマッチングも行う。〔共同〕

 

引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22283180V11C17A0CR8000/

 


「タダ同然の廃墟物件」に買い手が集まる理由

「価格はゼロ円、佐賀の一軒家を土地、家具・家電付きでもらってください」「越後の田んぼ付き農家を理由あって格安でお譲りします」――。近年、空き家が社会問題になっているが、通常の不動産流通には乗らないような物件の売買ができる不動産サイトがちょっとした話題になっている。

 

 

 たとえば、冒頭の越後の物件は、所有者が隣町に引っ越したことで空いてしまった。土地面積は約204㎡で建物は約112㎡、しかも1000㎡の農地付きで、価格はなんと80万円。山奥の物件だが、海水浴場まで45分と、別荘としては理想的な立地のようだ。「家いちば」には、こうした物件が数多く掲載されている。

 

■全国から物件を掲載したいという要望

 

 空き家に対する認識は、近年大きく変化している。たとえば、2年前には問題にされていなかった所有者不明土地が大きくクローズアップされ、日本には想像以上に放置されている土地が多いことがわかった。しかも、収益性で考えると使える空き家は10軒に1軒程度と、意外と少ないこともわかってきた。

 

 一方で、空き家の活用方法が多様化しているほか、活用によっては町にプラスの影響を与えることも認識され始めている。空き家を対象としたクラウドファンディングやマッチングサイトなども登場している。

 

 その中でも、筆者が面白いと思うのが、家いちばだ。不動産コンサルタントの藤木哲也氏が家いちばを立ち上げたのは2年前の10月。ほとんど広告していないにもかかわらず、この間、鹿児島から北海道までの128物件が掲載され、うち15件が契約に至った。

 

 冒頭の佐賀の物件には、60件を超す問い合わせがあり、記事を執筆しているうちに買い手が決まった。2~3日に1件は掲載の依頼があるが、掲載文の校正作業などがあり、現在では掲載待ちの物件がつねに30件ほどあるほか、契約書作成待ちが数件という状態になっている。

 

 入札情報サービスを提供する「うるる」が行った2016年の「空き家バンク運営実態調査」では、回答した219自治体の空き家バンクの平均成約率は月0.4件だから、家いちばの成約率がいかに高いかわかるだろう。

 

 その要因の1つは、従来の不動産取引とは違う掲載条件の緩さにある。価格が決まっていなくても、どんな場所でどんなに古くても、残置物が多くて片付いていない状態でも掲載できるほか、本人の許可があれば親や親戚が所有する物件を無料で掲載できるのだ。

 

 

 

従来の不動産流通では残置物があるだけで扱ってもらえないと思われていたことを考えると、これまで弾かれていた物件が流通に乗るようになったのである。素人の文章、写真にアドバイスをしたり、校正するなどして読まれるようにしている点も大きい。

 

■「もらってくれるならタダでも」という例も

 

 この活況ぶりから、いくつかわかることがある。1つは、売る側の意識の変化だ。家いちばを利用する空き家所有者にとって不動産は重荷であり、資産ではない。実際、「もらってくれるならタダでもいい」という例が多く、最近ではタダなうえに「残置物等処理代として50万円を進呈しますという」秋田の物件さえも出てきている。

 

 価格がついている物件でも、かなりの破格値で売買されている物件が少なくない。たとえば、少し前に契約が成立した高原の別荘は、バブル時代に土地代だけでおそらく数百万円で取引されていたと思われるうえ、建物も残置物さえ撤去すれば住めるような状態だった。それがなんと150万円。売買に時間をかけるより、早く手放して楽になりたいと考えている売り手の気持ちがすけて見える。

 

 買う側も変わってきている。資産としてではなく、利用するものとして不動産を考えていると言えばいいだろうか。たとえば、前述の高原にある別荘を購入した人は、「10年遊んで、10年後にまた150万円で売ればいい」とクール。別荘維持のためにかかる管理費は、「遊ぶための費用」と割り切っているようだ。

 

 廃墟同然の神戸の無料物件にも、30人以上が興味を示した。玄関が壊れているため、自由に内見してもらうようにし、入札にしたところ、7人が応札。タダでいいという物件にもかかわらず、40万円で売れた。使い勝手があまりよくなさそうな物件を、おカネを払って手に入れる行為はなかなか理解しがたいが、自分で好きにしていい建物を手に入れたい人には面白い「おもちゃ」を買った感覚なのかもしれない。

 

 一般的には住宅ローンが使えないため、売れないとされる借地権付きや築年数の古い物件も、100万円前後の物件が多いこともあり、どんどん売れていく。前述の50万円進呈という物件にも100件近い問い合わせがあったため、入札となり、最終的には数十万円という値がついた。

 

 

 売る側、買う側の意識の変化で空き家流通が進み始めているが、大きな障壁もある。それが先祖伝来の土地や屋敷を売ることに罪悪感を覚えるといった意識の問題である。今回、藤木氏とともに訪れた首都圏近郊の住宅では、所有者は「相続してすぐに売ったとなると何を言われるか、近所の目が気になる」と話す。都心ではそうした意識は薄いかもしれないが、首都圏でも農地の残るエリアでは根強いのである。

 

■空き家が流通しにくい理由

 

 この住宅の場合、半年前まで人が住んでいたため、建物はさほど傷んでいない。が、問題は山林と庭。草刈りを、年に3回地元のシルバー人材センターに頼んでいるが、それが1回15万円かかるうえ、庭師にも隔年で35万円支払っている。さらに、近隣に枯葉をまき散らす巨木伐採には100万円以上の見積もりが出ている。

 

 相続した後にこうした負担がかかることがわかったが、残置物だらけの状態では一般の不動産会社には頼めないと、悩み果てていたところ、家いちばを知ったという。物件を掲載すると、数多くの問い合わせがあった。

 

 価値ゼロと思っていた物件に価値を見いだしてくれる人がいると、所有者は勇気づけられたという。今のところ売却したいと考えているものの、活用してくれる人がいるのなら貸すという手も考え始めている。今後、売る、買うだけでなく、活用までアドバイスできる仕組みが付け加われば面白いだろう。

 

 このほかにも、空き家の流通を活性化するには、いくつか改善すべきポイントがある。1つは、行政が保有する不動産関連情報の一元化だ。買った土地に家が建てられない、隣地との境界がはっきりしていない、水道が引かれていないといった購入後のトラブルを防ぐため、不動産の売買契約では、宅地建物取引士は多岐にわたる項目を調査する。法務局で謄本を取ることに始まり、税務署で固定資産評価証明書、道路課で道路台帳、水道局で水道管管理図を取る、法令上の制限を逐一確認するなど、手間がかかるのである。

 

 

 

しかし、政令指定都市クラスの自治体でなければ、こうした情報のデータベース化が遅れているほか、自治体ごとに部署名がバラバラだったり、必要な書類がそれぞれ違う場所にあったりする。そのため、情報を集めること自体にノウハウと時間がかかる。これが一元化され、素人でも簡単に調べることができるようになれば、買って安心かどうかがある程度予測できるようになり、流通は促進されるはずだ。

 

 もう1つは、仲介手数料の見直しだ。現在、仲介手数料は、売買の場合、売買価格に応じて宅地建物取引業法で上限が決められており、売買価格が50万円だとしたら、仲介手数料は売買価格の5%が上限で、税込みで2万7000円。この金額で前述した各種調査を全部行うとしたら、とてもではないが割に合わない。つまり、不動産会社にとって取り扱うメリットがないのである。

 

■国交省にも手数料を見直す動き

 

 しかも、仲介手数料は成功報酬のため、売買が成立しなければ、何度現地に行こうが、いくら相談に乗ろうが一銭ももらえない。近隣の物件だけを扱い、どう売るかを考えなくても不動産が売れていた時代であれば、それでもよかったかもしれない。しかし、売りにくいものを工夫して売る時代には、売るための工夫などに関するコンサルティングに対してもなんらかの報酬を支払ってもいいのではないだろうか。

 

 こうした中、国土交通省も空き家流通を図るため、400万円以下の物件については、仲介手数料の上限を実費なども含めて18万(プラス消費税)にするという動きがあり、現在、パブリックコメントを募集している。早ければ12月中に公布、2018年1月から施行という計画というが、さて、それで空き家が動くようになるかどうか。

 

 藤木氏の場合、仲介手数料は宅地建物業法で定められた手数料の半額としているが、物件所有者に必要な書類を取得してもらうなど、あの手この手で出費を抑え、大幅な収益にはならないが、赤字にもなっていない状況という。そのほか、入札方式とする場合の手数料を別途設けるなどの工夫もしている。

 

 空き家関連のビジネスが乱立する中、家いちばに追随する動きがないのは仲介手数料を鑑みると割に合わないと考える人が多い結果だろうが、モノはやりよう、考えようなのである。

 

 あちこちのセミナーで「空き家が増えているのなら安く買えないだろうか」と期待している人たちに会う。生活費の中で最も割合の大きい住居費が空き家利用で低く抑えられれば、暮らしも人生も変わる。空き家利用ならビジネスも始めやすい。そう考えると空き家の増加は、社会にとってはピンチだが、個人にとってはチャンスともいえる。そして、そのチャンスが積み重なっていくことがいずれ社会のピンチを救うことになるかもしれない。

 

中川 寛子 :東京情報堂代表

 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171120-00197678-toyo-soci

 


土地が小さく人が多い日本でなぜ空き家が増えているのか―中国メディア

2017年11月12日、中国のポータルサイト・今日頭条に、日本で空き家が増えている理由について分析する記事が掲載された。

 

記事は、日本は人が多くて土地面積の小さな所というイメージがあり、少なくとも人口密度でいえば中国よりずっと高いので、不動産価格が非常に高くなると考えるのが普通だと指摘。しかし、実際には日本では空き家が増えていると紹介した。

 

日本の統計によれば、現在日本全国に800万軒以上の空き家があり、所有者不明の土地は総面積で4万2000平方キロメートル近くとなり、九州と同じほどの広さだという。

 

ではなぜ日本では廃棄された空き家が増えているのか。記事は日本の高齢化と過疎化に原因があると分析。特に地方では若者が大都市へと移転する傾向が強いため、高齢化も相まって、地方では空き家が増えているとした。

 

また、不動産税が中国とは異なり、土地と家は購入すれば永遠に所有権があるものの、毎年税金を支払う必要があると紹介。このため、多くの高齢者が老人ホームに入っていながら自宅の税金を支払い続けることになり、高齢者が亡くなった時に子供が相続したがらないケースがあるという。

 

これは、相続税の支払いが発生することや、相続しても住む人がいなかったり売れなかったりするためで、しかも毎年税金を支払わなければならないため、少なからぬ人が相続権を放棄するのだとした。そういうわけで、日本に不動産投資することは賢明な選択ではないと記事は結んだ。(翻訳・編集/山中)

 

引用:https://news.biglobe.ne.jp/international/1112/rec_171112_9041085697.html 

 


空き家1000万戸の時代に挑む!テーマ型空き家再生事業「再生家」を開始

高齢化社会が進むに従い、国内の空き家が激増して問題になっていることをご存知だろうか?

 

日本全国の空き家数は2013年時点で、820万戸となっている。そして野村総合研究所によると、2018年時点では1000万戸を突破し、2033年には空き家数が2166万戸にも昇る※と予想されており、空き家問題は深刻化する一方だ。

(※出典:<2017年版>2030年の住宅市場)

 

その一方、趣味や生活スタイルが理由で

都心から少し離れていても戸建てに住みたいという希望をもつ人は少なくなく、戸建て需要も確実にあるのが現状だ。

 

こうした背景から、ガレージハウスなどの特定のテーマ型空き家再生事業「再生屋」では、空家を賃貸可能なレベルまで再生し、入居者を付けて収益不動産として運営出来るリプロハウスの販売を開始している。

 

■投資用戸建てのメリットとデメリット

投資用に戸建ての購入を考えたことがないという人のために、まずは、メリットとデメリットを整理してみよう。

 

<メリット>

高利回り(11%~13%)でかつ管理費・修繕積立費がかからず建物寿命が来ても土地の価値は残る

小規模であれば、個人でも管理が可能で、将来的には自分で住む等、投資用物件以外の利用方法に柔軟性があるのも魅力。

 

<デメリット>

木造建築であるため災害に弱く、耐用年数が短いため、金融機関からの査定に影響がある。

 

また、相対的に修繕・管理すべき項目が多い、という問題もある。

 

■テーマ型空き家再生事業「再生家」とは

AI不動産ベンチャー Fan’sグループの株式会社再生家が取り組むリプロハウスの特徴は、あえて都心から遠く、築年数が古い空き家を再生して、マーケットよりも安い賃料を設定することにより賃料収入の確実性を重視した運用を実施していること。

 

対象とするエリアは、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の郊外を想定している。

表面利回りについては、11~13%程度となっていて、高利回りでの運用を実現できそうだ。

特定のテーマ型空き家再生事業を掲げている再生屋では、ガレージハウスなどテーマを絞った形で実施することで、他の投資用戸建てでは実現できないニッチなニーズに応え、特定のニーズを持つ入居者への訴求を可能としている。

 

車・バイク好きのためのガレージハウスに加え、今後は動物好きの人向けなど様々なテーマで展開をしていく予定だという。

再生屋

http://saiseiya.co.jp

 

(いたる)

 

引用:https://netallica.yahoo.co.jp/news/20171117-99699118-ignite 

 


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