
やはり「バブル」だった
ここでグラフをご覧いただきたい。
これは首都圏マンションの販売価格と発売数の直近の推移を示したものだが、ここへきて市況は急激に悪化。発売戸数にいたっては前年同月比で30%以上も激減しており、売れ行きが急減速していることがわかる。
実は、首都圏マンションは7月の販売在庫数も6498戸に増えていて、「これは不動産ミニバブルが崩壊した'09年頃に近づく水準です。マンションバブルの崩壊を予兆するデータが出揃ってきたと言えます」と指摘するのは、みずほ証券市場情報戦略部上級研究員の石澤卓志氏である。
「マンションが売れなくなってきた理由のひとつは、価格が異常高騰しすぎたから。住宅は各世帯の年収の4倍が手頃、5倍が上限とされているが、現状は山の手エリアだと日本人の平均年収の15倍、下町エリアで10倍、都下でも8~9倍の水準。世帯年収が1000万円超でないと、都内にマンションを買うのは難しい。バブルがこれほど大きく膨らんだ結果、ついにマンションが売れなくなってきたわけです」
これまでは一部の富裕層や海外投資家などが、資産運用先や相続対策としてこうした高級物件を購入。それが「高値」を支えてきたが、そうした投資マネーも不動産市場から逃げ始めた。
ニッセイ基礎研究所不動産投資チーム主任研究員の増宮守氏は、「海外投資家による大規模不動産の取得は昨年後半に勢いが止まり、今年に入ってからも大きく落ち込んでいる」と明かす。
「中国経済の失速懸念からリスク意識が高まり、今年の上半期は昨年比で『ほぼ半減』という水準です。海外富裕層は湾岸エリアのタワーマンションのほか、赤坂、渋谷、新宿などの大規模物件の購入も目立っていましたが、年初からの円高もあってこれも失速したとみられます。
国内の富裕層による相続税の『タワマン節税』に対する課税強化も警戒されている。都心部の高額マンション市場への影響は避けられないでしょう」
引用
本文 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49680?page=2
画像 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49680?page=2